カオマンガイのおいしさを引き立てるのが、鶏肉とごはんに添えるタイ式のタレです。この記事では、カオマンガイ本体とは別に、4〜5人分のタレの作り方を紹介します。
中心になるのは、タオチオ(タイの発酵大豆調味料)。タイしょうゆ、パームシュガー(ヤシ由来の砂糖)、しょうが、漬けにんにく、酢、唐辛子を合わせ、塩味・甘味・酸味に香味材料の香りを重ねます。
調味料の構成はタイ式のまま、基本の唐辛子は2gに抑えています。タイ現地の一部レシピより、今回は食べやすい辛さに調整しています。辛い味が好きな方は、食べる直前に刻んだ唐辛子を足せる作り方です。

3秒チェック
- 難易度
- 初級〜中級
- 人数
- 4〜5人分
- 完成量
- 170〜180g前後を想定。実測前
- 辛さ
- 唐辛子は控えめに設計。後から追加可能
- 調理時間
- 約10分を想定。実測前
- 特徴
- タイ食材を使い、漬けにんにくと漬け汁を加える本格タイプ
- 日本での作りやすさ
- タイ食材店・アジア食材店で扱う調味料を用意
※分量は試作前の設計です。完成量・調理時間・辛さ・味のバランスは、実調理での確認前です。基本材料の計量値を合計すると172gですが、容器に残る分や加熱による変化があるため、できあがりの実測重量とは区別しています。
※料理・工程の写真は説明用の生成イメージです。実際の調理・試食の記録ではありません。
このタレの特徴
- タオチオを中心に、2種類のタイしょうゆを合わせる。
- 漬けにんにくは実だけでなく、甘酸っぱい漬け汁まで使う。
- 唐辛子は基本2g。香りと調味料の構成を保ち、辛さは後から調整する。
タイ式カオマンガイだれとは
ナムチム・カオマンガイは、カオマンガイに添えるタレのこと。ゆで鶏と鶏油ごはんに少しずつ付け、発酵大豆のコク、しょうがの香り、甘味・酸味・辛味を合わせて楽しみます。
タイの店や家庭によって配合は異なり、漬けにんにくを入れない作り方もあります。今回はタイで見られる複数の作り方の中から、漬けにんにくを使うタイプを採用しています。「本格」はタイ全国で唯一の正しい配合という意味ではなく、タイ食材を使ったこの味の構成を指しています。
材料(4〜5人分)

基本のタレ
- タオチオ(タイの発酵大豆調味料)
- 40g
- シーユーカオ(タイの淡色しょうゆ)
- 30g
- シーユーダムワーン(甘みのあるタイの濃色しょうゆ)
- 15g
- ホワイトビネガー(クセの少ない醸造酢)
- 15g
- パームシュガー(ヤシ由来の砂糖)
- 25g
- ひねしょうが(香りと辛味のしっかりしたしょうが)
- 25g
- タイの漬けにんにく(にんにくの甘酢漬け)
- 10g
- 漬けにんにくの漬け汁
- 10g
- プリックジンダー・デーン(タイの赤唐辛子)
- 2g
日本の薄口しょうゆ・濃口しょうゆと名前や色が似ていても、同じものではありません。同量で置き換えると塩味・甘味・色・香りのバランスが変わるため、商品名を確認してそろえましょう。
商品によって甘味や酸味が異なるため、混ぜた後に味を確かめます。生にんにくや日本のしょうゆ漬けへ、そのまま置き換える材料ではありません。
必要なときだけ使う味調整用
- プリックジンダー・デーン(別添えの追加用)
- 追加1〜2g程度。辛い味が好きな人だけ、少量ずつ使う
- 鶏スープ(加熱済みで塩味の弱いもの・濃さの調整用)
- 必要な場合だけ5gずつ
調味料も漬け汁も、mLではなくgで量ります。別添えの唐辛子1〜2gは用意する追加分の目安で、全量を最初からタレへ混ぜる指定ではありません。鶏スープも基本のタレには入れず、味を確認してから使います。
下準備
- ひねしょうがはよく洗い、傷んだ部分や汚れを除いて25gを量ります。5mm程度の角切り、または粗いみじん切りにします。
- タイの漬けにんにくは実10gと漬け汁10gを分けて量り、実を粗く刻みます。
- プリックジンダー・デーンは洗って水気を拭き、へたを除いて2gを量り、細かく刻みます。触れた手で目や顔に触らず、扱った後は手と器具を洗います。
- 固いパームシュガーは25gを細かく刻むか削ります。
- 残りの調味料を計量し、清潔なボウル、スプーン、フードプロセッサーまたはミキサーを用意します。
作り方
STEP1基本の調味料を合わせる

ボウルにタオチオ40g、シーユーカオ30g、シーユーダムワーン15g、ホワイトビネガー15g、漬けにんにくの漬け汁10g、パームシュガー25gを入れます。
スプーンでよく混ぜ、パームシュガーをなじませます。この段階では、しょうが・漬けにんにくの実・唐辛子はまだ入れません。
STEP2香味材料を加える

刻んだひねしょうが25g、漬けにんにく10g、プリックジンダー・デーン2gを加え、全体を軽く混ぜます。
鶏肉と鶏油ごはんに合わせたときの輪郭を作るのが、しょうが、酢の酸味、発酵大豆、唐辛子の組み合わせです。特にしょうがは今回の大切な材料なので、25gを計量して加えます。
STEP3細かな粒が残る程度に攪拌する

フードプロセッサーまたはミキサーへ移し、短く区切って攪拌します。機器が扱える量・材料を確認し、ふたを閉めて使用してください。
発酵大豆・しょうが・赤唐辛子の細かな粒が少し残るところで止めます。マヨネーズのようになめらかなペーストではなく、香味材料が見える茶褐色のタレが目標です。
STEP4甘味をなじませる

パームシュガーの固まりが残っていないか確認します。十分になじんでいれば、加熱せずSTEP 5へ進みます。
固まりが残る場合だけ、使用する熱源に対応した小鍋へタレを移し、ごく弱火で混ぜながら短時間温めます。砂糖がなじんだら火から外し、長く沸騰させたり煮詰めたりせず、清潔な容器で速やかに冷まします。耐熱表示だけのボウルやガラス容器を直火にかけないでください。
STEP5鶏肉と鶏油ごはんに合わせて味を見る

小皿にタレを少量取り、別に用意した食べられる状態のゆで鶏・鶏油ごはんと一緒に味を確認します。タレだけでは塩味や酸味が強く感じられても、鶏肉とごはんに合わせると印象が変わります。
目指すのは、発酵大豆の塩味とコク、パームシュガーの甘味、酢の酸味、しょうがの香り、控えめな唐辛子の辛味が重なるバランスです。濃さや辛さの調整は、味を見てから少量ずつ行います。
食べる分だけを小皿へ取り分け、鶏肉やごはんへ少しずつ付けて使います。味見に使ったスプーンや小皿のタレを、保存するタレへ戻さないでください。
使用するタイ食材
タオチオ|味の中心になる発酵大豆調味料

タオチオは、タイの発酵大豆調味料です。塩味と豆のコクをタレの土台にします。日本のみそと同じ調味料ではないため、今回の基本材料はタオチオのままとし、みそへ置き換えた分量は設けません。
シーユーカオとシーユーダムワーン|役割の違うタイしょうゆ

シーユーカオはタイの淡色しょうゆ、シーユーダムワーンは甘みのあるタイの濃色しょうゆです。前者で塩味とうまみを、後者で甘みと色を加えます。
パームシュガー|甘みと風味を重ねる

ナムターンピープは、パームシュガーのこと。ヤシ由来の砂糖で、甘みだけでなく風味やコクにも関わります。今回の基本量は25gです。固いものは刻むか削り、混ざりやすくしてから使います。
ひねしょうが|香りと辛味を生かす

キン・ゲーは、香りと辛味のしっかりしたひねしょうがです。一般に売られている成熟したしょうがを選び、みずみずしい新しょうがとは区別します。25gを粗く刻み、攪拌後にも細かな粒を残す作り方です。
漬けにんにくと漬け汁|両方を量って使う

クラティアム・ドーンは、タイのにんにくの甘酢漬け。ナム・クラティアム・ドーンは、その漬け汁です。実10gと漬け汁10gを別々に量り、にんにくの風味と甘酸っぱさを加えます。
プリックジンダー・デーン|タイの赤唐辛子

プリックジンダー・デーンは、タイの赤唐辛子です。同じ重さでも個体差があるため、本数ではなく重さで量ります。基本はタレ全量に2g。辛いものが比較的得意な方は、基本量を3g程度まで増やす選択肢もあります。
さらに辛くしたい場合は刻んで別添えにし、食べる分だけに追加します。種を取り除いても完全に辛くなくなるわけではないため、辛さを抑えるときは使う量そのものを減らしてください。
食材画像は種類や見た目を伝える生成イメージです。商品によって色・形・質感は異なります。使用量は材料表で確認してください。
日本で作りやすいように、辛さだけを控えめに
今回調整しているのは、基本の唐辛子の量です。タオチオ、タイしょうゆ、パームシュガー、ひねしょうが、酢、漬けにんにくと漬け汁という材料構成は残しています。日本向けだから味全体を薄くする、という設計ではありません。
本格的な材料構成を残したまま、基本の唐辛子を2gに抑えました。辛いものが比較的得意な方は基本量を3g程度まで、さらに辛くしたい方は刻んだプリックジンダー・デーンを別添えにし、食べる直前に自分の小皿へ少しずつ加えられます。
唐辛子の辛さには個体差があり、しょうがにも辛味があります。2gなら誰にとっても辛くないという意味ではないため、辛さに敏感な方はさらに減らしてください。
味の調整方法
濃すぎるとき

鶏スープを必要な場合だけ5gずつ加え、その都度、鶏肉とごはんに合わせて確認します。スープ自体の塩味も見て、味付きなら無条件に薄まるとは考えないようにします。塩味だけでなく粘度や香りも変わるので、一気に大量の水分を足しません。
酸味が強いとき

パームシュガーを少量ずつ加えて混ぜます。酸味を感じにくくするために甘みを重ねる調整で、入れた酢そのものがなくなるわけではありません。
甘すぎるとき

ホワイトビネガーを少量ずつ加え、酸味とのバランスを見ます。タレだけで決めず、鶏肉とごはんにも少量付けて確認してください。
塩味が弱いとき

まずタオチオを少量加え、豆の風味と塩味を確かめます。それでも必要ならシーユーカオを少量足します。両方を一度に大量に加えると調整しにくいため、一つずつ確認しましょう。
辛さが足りないとき

追加用のプリックジンダー・デーン1〜2g程度を刻んで別添えにし、食べる人が自分の小皿へ少しずつ足します。残った追加分まで使い切る必要はありません。
辛すぎたとき

唐辛子をまだ取り除ける状態なら、取り除きます。攪拌後は細かな唐辛子を除きにくいため、必要なら基本のタレを唐辛子なしで別に作り、合わせて濃度を下げます。砂糖だけを大量に足して辛味を消そうとすると、甘味とのバランスも崩れます。
しょうがの香りが弱いとき

細かく刻んだひねしょうがを、仕上げに少量加えます。香りとともに辛味も増えるため、ひと口分に加えて確かめてから全体へ広げます。
失敗しやすいポイント
しょっぱすぎる

タオチオとシーユーカオを両方追加しすぎていないか確認します。基本量で一度合わせ、追加は味を見てから。濃さを緩めるときは、塩味を確認した鶏スープを5gずつ加えます。甘みや酸味を足しても、塩分が消えるわけではありません。
甘すぎる

パームシュガー25gを最初から増やさないことが大切です。シーユーダムワーンや漬け汁にも甘みがあるため、すべてを混ぜた後に確認し、必要なら酢を少量ずつ足して調整します。
酸っぱすぎる

ホワイトビネガー15gと漬け汁10gを、感覚で注がず別々に量ります。商品差によって酸味を強く感じる場合は、パームシュガーを少量追加してバランスを見てください。
辛すぎる

基本量はタレ全量に2gです。追加用の1〜2gを最初から一緒に混ぜず、別添えにします。特に辛さに敏感な方が食べる場合は、基本量も減らして始めます。
なめらかにしすぎた

ミキサーを長く回し続けていないか確認します。今回はしょうがや発酵大豆の細かな粒が少し残る質感が目標です。短く区切って攪拌し、途中で状態を見ましょう。
タレが水っぽい

鶏スープは最初から入れず、濃さの調整が必要な場合だけ5gずつ加えます。水分を入れすぎてから長く煮詰めると、香りや塩味のバランスも変わるため、少量ずつ確認するほうが調整しやすくなります。
保存方法
清潔な容器で冷蔵する
市販の調味料は、各商品の保存表示に従ってください。完成したタレは清潔な密閉容器へ移して冷蔵します。STEP 4で温めた場合は速やかに冷まし、常温で長く置かないようにします。
食べる分だけ取り分ける
取り分けには清潔なスプーンを使います。鶏肉に付けたタレや食卓の小皿に残ったタレを、保存容器へ戻さないでください。
保存日数を決めつけない
生のしょうがや唐辛子を含み、保存試験もしていないため、「冷蔵で何日なら安全」という日数は設けていません。早めに使い切り、品質に疑いがあるものは口にしないでください。砂糖を溶かすための短い加熱も、長期保存を保証するものではありません。
よくある質問
タオチオとは何ですか?
タイの発酵大豆調味料で、今回のタレの中心になる材料です。塩味と豆のコクを加えます。日本のみそと同じ調味料ではありません。
タオチオはみそで代用できますか?
みそで発酵調味料の風味を加えることはできますが、タオチオと同じ味にはなりません。今回の本格版では代用せず、日本の材料で作るタレやタオチオなしのタレは、別の記事で紹介する予定です。
普通のしょうゆでも作れますか?
別の配合として作ることはできますが、シーユーカオ・シーユーダムワーンとは塩味・甘味・色・香りが異なります。日本のしょうゆを同量入れれば同じ味になるとは考えず、今回は2種類のタイしょうゆを使います。
辛くしないことはできますか?
基本の唐辛子2gをさらに減らすことはできます。唐辛子を省いてもしょうがの辛味は残るため、完全に辛くないとは言い切れません。辛くないタイプは、しょうがとのバランスも含めた別のレシピとして紹介する予定です。
漬けにんにくは必要ですか?
タイにも漬けにんにくを使わない作り方があります。今回の記事は、漬けにんにく10gと漬け汁10gを使うタイプです。両方を加えることで、このタレの風味と甘酸っぱさを組み立てています。
普通のしょうがで作れますか?
一般に売られている成熟したしょうがなら使えます。今回の基本は香りと辛味がしっかりしたひねしょうがです。新しょうがへ変えると風味の印象も変わるため、同じ仕上がりとは考えないようにします。
カオマンガイ以外にも使えますか?
ゆで鶏などにも合わせやすいタレですが、今回の配合は鶏肉と鶏油ごはんを一緒に食べるカオマンガイ用に設計しています。何にでも合う万能だれとはせず、少量を付けて料理との相性を確認してください。

