タイの伝統的な挨拶「ワイ」とは。ワイとは手を合わせる合掌で相手に敬意を示す所作になり、タイではとても重要な作法のひとつです。ここではワイの正しいやり方・タイミングなど基本的なワイのルールについて解説していきます。
タイのあいさつ「ワイ(合掌)」とは
タイのあいさつを思い浮かべたときに、両手の手のひらを合わせる合掌を想像するかたは多いのはないでしょうか。
この手を合わせお辞儀をする動作は、相手への敬意を示すもので、タイの伝統的なあいさつ「ワイ」と呼ばれています。
ワイは日本のお辞儀のようなもので、正しい作法や目上の方へのワイ、年下や地位や身分の低い人へのワイなど…ワイにはルール(作法)というものがいくつかあります。
ここでは、ワイの基本的なルール(作法)や外国人(観光客)がどのようにワイをすべきか…というのを解説していきます。
ワイの基本的なルール
ワイの基本的なルールを解説していきますが、これらのルールを守らないと失礼になります。
ルールを知らずに行うのであれば、ワイをしない方が「外国人だから」で片づけられるので、正しいワイをするもしくはワイをしない方が無難かもしれません。
ワイ(合掌)は目下から行う
タイではまず目下の人間から挨拶をし、同列の場合はどちらでも構いません。
基本的にワイというのは年上や身分の高い人間に敬意を示すという意味があるので、自分より年が下の人や身分の低い人に自分から挨拶(ワイ)をすべきではありません。
ワイをされたらワイを返す?
基本的にワイをされたらワイで返します。
ホテルやレストラン、お店の店員などにワイをされた場合はワイで返す必要はありません。
ワイの手の位置
ワイの手の位置はとても重要で、相手ごとに使い分ける必要があります。
顎下<鼻先<眉間
の順番で敬意の高さを表していると覚えておけばOKです。
※詳しくは後ほど解説
ワイの手の形
タイの合掌は正確には手のひらを完全に合わせるのではなく、お花のつぼみのように少し膨らませます。
これは仏教と縁の深い蓮(ハス)の蕾を模しているのです。
ワイ(合掌)は手の位置が重要
ワイを行う際の重要な部分に、相手に応じて手の位置が異なるというのがあります。
手の位置(合掌の位置)は胸の高さから額の高さくらいの間で行うのですが、その手の位置が高ければ高いほど相手に対する敬意が高いということになります。
最上級のワイ(合掌)
国民のほとんどが仏教徒のタイでは仏像などへのワイも欠かさずに行うのですが、その際は最上級のワイを行います。
基本的には、
- 仏
- 仏像
- 僧侶
- 修行僧
- 寺院
などに行うワイで、最大の敬意を込めたワイということになります。
その作法は、基本的には正座をしながら頭を下げます(不可能な場合はお辞儀)。
合掌した手の位置は親指を眉間まで上げ、人差し指は額の上部へつけます。
これが最上級のワイです。
タイ旅行といえば寺院巡りを行う方は多いと思いますが、寺院でワイを行う際は必ず最上級のワイを行うようにしましょう。
目上の人へのワイ(合掌)
目上の人へのワイは最上級のワイの次にレベルの高いワイです。
主に、
- 祖父・祖父母
- 両親
- 先生
- 恩人
など…かなり目上の人へ行うワイです。
頭を下げながら、合掌した手の親指を鼻先まで上げ、人差し指の指先は眉間につけます。
一般的なワイ(合掌)
このワイは主に少し年上の人や一般の人にするワイです。
主に、
- 少し年上
- 同年代
などの方へ行うワイです。
合掌した親指は顎先に、人差し指は鼻先につけます。
年上にワイをするときはお辞儀をしながら行いますが、同年代の人間にする際はお辞儀をする必要ありません。
外国人・観光客はどうすれば良い?
基本的に外国人に完璧なワイは求められていません。
ホテルやレストランなどでワイをされても返す必要はないので、観光客などであればワイを行うことは少ないかと思います。
しかし、地位が下の人や同僚など身近な人からワイをされた場合は、必ず礼儀としてのワイ(ラップワイ)を返しましょう。
タイに長期で滞在する方などは、上記で解説してきたワイのルールや作法を理解したのであれば、状況に応じてワイを行いましょう。
しかし、そのワイが正しい作法でなければ失礼に当たってしまうので注意が必要です!