しょうがと生にんにくをしっかり効かせ、鶏のゆで汁も使う、ベートン式カオマンガイのタレを作ります。タオチオ(タイの発酵大豆調味料)とシーユーカオ(タイの淡色しょうゆ)に、酢・砂糖・少量の生唐辛子を合わせる、4〜5人分のレシピです。
特徴は、タオチオ以外を先にミキサーで細かくし、タオチオを後から加えて仕上げること。タイ南部ヤラー県ベートンに関連する作り方の一例として、家庭で使う量に組み立てています。店や家庭によって、配合や仕上げ方は異なります。

3秒チェック
- 難易度
- 初級〜中級
- 人数
- 4〜5人分(タレのみ・試作前の目安)
- 調理時間
- 約15分を想定。鶏肉・ごはん・スープの調理時間は別。実測前
- 材料の合計量
- 170g(完成重量は実測前)
- 辛さ
- 生赤唐辛子は基本3g。追加分は別添え
- タイ食材
- タオチオ、シーユーカオ
- 特徴
- しょうが・生にんにく・鶏スープを使用
- 調理方法
- ミキサーで二段階に攪拌
料理・工程画像は、手順や仕上がりを説明するための生成イメージです。
このタレの3つの特徴
- しょうがと生にんにくを各18g。香味を中心に据える。
- タオチオ・淡色しょうゆ・酢・上白糖を軸に、甘い黒しょうゆや漬けにんにくは使わない。
- 鶏のゆで汁を加え、タオチオだけ後からミキサーへ入れる。
ベートン式とは?
ベートンは、タイ南部ヤラー県にある地域です。「カイ・ベートン・ヤラー」と呼ばれる、ヤラーのベートン鶏も知られています。地域の鶏料理を考えるときには、タレだけでなく、鶏そのものにも地域性があります。
この記事で作るのは鶏ではなく、カオマンガイに添えるタレです。日本でベートン鶏を用意できなくても、通常のカオマンガイ、ゆで鶏、鶏油ごはんに合わせられます。ただし、普通の鶏を使ってベートン鶏自体の味まで再現する、というレシピではありません。
今回採用するスタイル
今回のレシピでは、しょうが・生にんにく・酢・砂糖・生唐辛子・タオチオ・シーユーカオ・鶏スープを使うスタイルを採用します。香味材料を先に攪拌し、タオチオを後入れする順序も大切な特徴です。
目指すのは、しょうがとにんにくの香りに、発酵大豆のコクと塩味、酢の酸味、砂糖の甘味が重なるタレ。唐辛子は少量に抑える設計ですが、香味材料の刺激まで弱くなるわけではありません。
甘い黒しょうゆを使わないため、色はやや明るい茶褐色を想定しています。色は調味料の製品や攪拌状態でも変わるので、黒さを足すためにしょうゆを増量しません。
タイ食材の本格タレとの違い
タイNaviの「カオマンガイの本格タレ」と、材料と仕上げ方を比べます。どちらが本物かではなく、味の構成を選ぶための比較です。
| 項目 | タイ食材の本格タレ | 今回のベートン式 |
|---|---|---|
| タオチオ | 使用 | 使用 |
| シーユーカオ | 使用 | 使用 |
| 甘い黒しょうゆ | シーユーダムワーンを使用 | 使わない |
| 甘味 | パームシュガー | 上白糖 |
| にんにく | タイの漬けにんにく | 生にんにく18g |
| 漬け汁 | 漬けにんにくの漬け汁を使用 | 使わない |
| 鶏スープ | 基本配合には入れず、必要時に調整用 | 基本配合に20g |
| 香味と仕上げ | しょうがと漬けにんにくを加え、機器で細かな粒を残す | しょうがと生にんにくを先に攪拌。タオチオは後入れ |
材料(4〜5人分・タレのみ)
液体も含め、すべてgで量ります。しょうが・にんにく・唐辛子は、汚れ・皮・へた・傷んだ部分などを取り除いた、実際に使う部分の重量です。味見用には、別に調理済みのゆで鶏と鶏油ごはんを少量用意してください。

基本のタレ
- タオチオ(タイの発酵大豆調味料)
- 45g
- シーユーカオ(タイの淡色しょうゆ)
- 12g
- 無糖・無調味の醸造酢(ホワイトビネガー系)
- 30g
- 上白糖
- 24g
- ひねしょうが(成熟したしょうが)
- 18g
- 生にんにく
- 18g
- 生の赤唐辛子
- 3g
- 鶏のゆで汁(加熱済み・塩味の弱いもの)
- 20g
タオチオは豆と液体を軽く混ぜてから45gを量ります。豆だけ、液体だけに偏らせず、調味済みの完成品ソースとも取り違えないようにします。
このタレは加熱しないため、タオチオなどの調味料は商品表示で、そのままつけだれに使えることを確認してください。加熱が必要な商品には、この手順を適用しません。
必要なときだけ使う調整用・別添え
- 鶏スープ(濃さの調整用)
- タレ全量に5gずつ
- 無糖・無調味の醸造酢(酸味の調整用)
- タレ全量に2gずつ
- 上白糖(甘味の調整用)
- タレ全量に2gずつ
- タオチオ(豆のコク・塩味の調整用)
- タレ全量に3gずつ
- シーユーカオ(塩味の調整用)
- タレ全量に2gずつ
- 生の赤唐辛子(別添えの追加用)
- 追加分3〜6gを別に用意し、各自の小皿へごく少量ずつ
調整用を最初からすべて入れません。鶏スープ5g・酢2g・砂糖2g・タオチオ3g・シーユーカオ2gは、4〜5人分のタレ全量に対する追加量です。別添えの唐辛子も、用意した分を使い切る指定ではありません。
使用するタイ食材と香味材料
タオチオとシーユーカオ

タオチオはタイの発酵大豆調味料で、塩味と豆の風味を受け持ちます。シーユーカオはタイの淡色しょうゆで、今回の基本量は12g。日本の薄口しょうゆと同じものではなく、色や名称だけで置き換えません。塩味・甘味・色は商品によって変わります。
ひねしょうがと生にんにく

ひねしょうがは成熟したしょうがです。新しょうがとは香りや水分が異なるため、今回はひねしょうが18gを使います。にんにくも生のものを18g使い、漬けにんにくやチューブへ同量で置き換える配合にはしていません。
酢・砂糖・生の赤唐辛子

酢は無糖・無調味の醸造酢を選び、甘酢・調味酢とは分けます。砂糖は上白糖24gです。赤唐辛子は生のものを重量で量り、プリックジンダーなども使えますが、同じ3gでも品種や個体によって辛さは変わります。
鶏のゆで汁は、冷まして20g
使うのは、鶏を十分に加熱してゆでた、透明で塩味の弱いスープです。脂が極端に多く浮いたもの、濃い市販の鶏ガラスープ原液は、この基本配合には使いません。鶏肉を作る工程とタレを作る工程は分けて考えてください。
熱いままミキサーに入れず、清潔な小分け容器などで速やかに冷まして20gを量ります。冷ますために常温で何時間も放置せず、すぐ使わない分は冷蔵します。調整用も同じ条件のスープです。
道具と下準備

道具は、キッチンスケール、包丁、まな板、ミキサーまたはフードプロセッサー、小さなボウル、スプーン、清潔な保存容器です。味見用の小皿も別に用意します。
少量の材料を攪拌できる機器を選びます。 最初に入れる材料は125g、タオチオを加えると計170gです。機器の最低使用量・適した材料・運転方法を説明書で確認してください。量が少なくて回らない場合に、スープを勝手に増やして機器へ合わせることはしません。
しょうがを切る

しょうがは洗って汚れや傷んだ部分を除き、18gを量り、5〜10mm程度に切ります。機器の指定がある場合は、さらに小さくします。
にんにくの皮をむく

にんにくは皮をむいて18gを量り、大きなものは切り分けます。
唐辛子のへたを取り、切る

赤唐辛子は洗って水気を拭き、へたを除いて3gを量り、切ります。種やワタを一部除いても、辛味がなくなるわけではありません。触れた手で目や顔に触れず、扱った後は手と器具を洗います。
鶏スープを冷まして量る

加熱済みの鶏スープを速やかに冷まし、20gを量ります。
タオチオを量って別に置く

タオチオは豆と液体を軽く混ぜて45gを量り、別の器に置きます。残りの調味料も計量します。
作り方|ミキサーで仕上げる5STEP
最初はタオチオ以外、次にタオチオ。二段階に分けて攪拌します。ふたの開閉や内側をこそげる作業は、必ず運転を止め、説明書に従って行ってください。
STEP1香味材料を準備する

下準備で量ったしょうが18g、生にんにく18g、赤唐辛子3gを、ミキサーに入れやすい大きさに切ります。細かなみじん切りまで行う必要はありません。最後に機器で細かくする作り方です。
別添えの唐辛子を用意する場合は、基本の3gと分けて置きます。タオチオも、この段階ではミキサーに入れません。
STEP2タオチオ以外を先に攪拌する

ミキサーへ、しょうが18g、生にんにく18g、赤唐辛子3g、酢30g、上白糖24g、シーユーカオ12g、冷ました鶏スープ20gを入れます。タオチオ45gは、まだ加えません。
ふたを確実に閉め、機器の説明書に従って短く区切って攪拌します。香味材料がかなり細かくなり、砂糖が液体になじんだか確認してください。必要な運転時間は機器によって変わるため、秒数だけで仕上がりを決めません。
STEP3タオチオを後から加える

ミキサーを止め、刃の停止を確認してからふたを開けます。豆と液体を混ぜて量ったタオチオ45gを加え、再びふたを閉め、短く攪拌して全体を合わせます。
目指すのは、香味材料が細かく、タオチオが全体になじんだ、スプーンですくえる液状〜ややとろみのある状態です。完全なクリーム状にする必要はありません。長時間回し続けず、停止してから状態を見ます。
STEP4鶏とごはんに合わせて味を見る

清潔なスプーンで少量を小皿へ取り、調理済みのゆで鶏と鶏油ごはんに付けて、一緒に味見します。タレだけでは酸味・塩味・しょうが・にんにくが強く感じられる場合があるので、食べる組み合わせで確認してください。
味見に使ったスプーンや、小皿に残ったタレを、共用の器へ戻しません。
STEP5必要な場合だけ、1種類ずつ調整する
濃すぎるなら鶏スープ5g、酸っぱいなら上白糖2g、甘いなら酢2gを、タレ全量に加えます。豆のコクと塩味が弱いならタオチオ3g、塩味だけ少し足りないならシーユーカオ2gが追加の目安です。まず1つだけ選び、よく混ぜ、料理と合わせて再確認します。
辛さを足したい人は、別に用意した赤唐辛子3〜6gを細かく刻み、自分の小皿へごく少量ずつ追加します。基本のタレ全量へ一度に混ぜる指定ではありません。
なぜタオチオを後から入れる?
この順序は、今回採用するベートン式の作り方の特徴です。まずしょうが・にんにく・唐辛子を細かくし、その後でタオチオを合わせる、という工程を残しています。
後入れすれば必ず味が良くなる、発酵が進むといった効果を保証するものではありません。仕上げの質感も店や家庭で異なるため、「ベートン式は必ずこの粒の大きさ」とは決めつけず、今回は液状〜ややとろみのある状態を目標にします。
唐辛子は基本3g、追加は小皿で
現地の業務用レシピの材料構成を残しながら、日本で食べやすいよう、今回は唐辛子量を控えめにしています。基本の3gと、別添えの追加用3〜6gを分けて用意してください。
3gなら誰でも辛くない、という意味ではありません。しょうがと生にんにくにも刺激があり、唐辛子の辛さには個体差があります。辛さに敏感な方は基本量も減らすか省き、唐辛子なしの別配合も選択肢にしてください。
味の調整方法
以下はタレ全量に対する追加の目安です。一度に複数の材料を加えず、混ぜるたびに鶏肉とごはんに合わせます。
濃すぎる

鶏スープを5g追加。 スープ自体の塩味が弱いことを確認します。濃さとともに香りや酸味も変わるので、大量に足しません。使うタレの量を減らす方法もあります。
酸っぱい・甘い

酸っぱいなら上白糖2g、甘いなら酢2g。 どちらか必要な方だけを加えます。甘味を足しても、入れた酢そのものがなくなるわけではありません。
豆のコク・塩味が弱い

タオチオを3g追加。 豆の風味と一緒に塩味も増すため、すでに塩辛いタレには足しません。
塩味だけ少し足りない

シーユーカオを2g追加。 タオチオと同時に増やさず、どちらが必要かを料理と合わせて判断します。
辛さが足りない

追加の唐辛子は自分の小皿へ。 共用のタレはそのままにし、刻んだ唐辛子をごく少量ずつ使います。別添え3〜6gを全部使う必要はありません。
失敗しやすいポイント
塩辛い

確認:タオチオとしょうゆを目分量で入れていないか。 基本はタオチオ45g、シーユーカオ12g。追加する前に、鶏肉とごはんに少量付けて確かめます。酢や砂糖で塩分が消えるわけではありません。
酸っぱすぎる

予防:酢は30gを量り、追加は味見の後。 無糖・無調味の酢を選びます。酸味を強く感じる場合の調整は、砂糖を2gずつです。
甘すぎる

予防:上白糖24gから始める。 業務用の砂糖量だけを見て家庭用でも大量に入れません。調味料にも甘味がある場合があるため、全材料を合わせて確認します。
生にんにくが強すぎる

対処:まずタレを付ける量を減らす。 生にんにく18gは香味をしっかり出す設計です。この量なら必ずちょうど良いとは限らず、攪拌したにんにくだけを後から取り除くのも困難です。次回減らす場合は、香りの構成も変わります。
水っぽい

予防:基本の鶏スープ20gと、調整用5gを分ける。 調整用を最初から全部入れません。機器が回らない場合も、スープを足して配合を変える前に、少量に対応する機器か確認します。
辛すぎる

予防:基本の唐辛子3gを増やさず、追加分は別添え。 攪拌後の唐辛子は取り除きにくいため、辛さに敏感な方は最初から減量・省略します。大量の砂糖で辛さを隠そうとしません。
なめらかにしすぎた

予防:タオチオを加えてから長く回し続けない。 香味材料は細かくしますが、完全なクリーム状を目指すものではありません。途中で停止して確認し、全体が合わさったら切り上げます。
他のカオマンガイだれとの違い
材料・道具・辛さの好みに合わせて選びます。タイNaviの各レシピとの比較であり、タイ全土の作り方を分類するものではありません。
タイ食材で作る本格タレ

タオチオ、2種類のタイしょうゆ、パームシュガー、漬けにんにくと漬け汁を使い、機器で細かな粒を残します。今回のベートン式は生にんにく・上白糖・鶏スープを使い、甘い黒しょうゆと漬け汁は入れません。
日本の調味料で作る本格風タレ

味噌、濃口しょうゆ、酢、レモン汁、一味唐辛子で組み立て、香味材料を刻んで混ぜます。今回はタオチオとシーユーカオをそろえ、鶏スープを使ってミキサーで仕上げる点が異なります。
唐辛子なしのタイ食材タレ

タオチオ、タイしょうゆ、漬けにんにくを使い、基本の唐辛子を0gにした配合です。しょうがなどの量も調整されており、今回のタレから唐辛子3gだけを引く場合とは異なります。しょうがなどの刺激までなくなるわけではありません。
混ぜるだけの5分タレ

ナンプラー、日本のしょうゆ、チューブしょうが・にんにく、ごま油を使い、包丁や火を使わず器で混ぜる時短タイプです。今回は生の香味材料を切り、ミキサーを使うため、用意する材料と道具も異なります。
刻みしょうが・にんにくの屋台風タレ

包丁で香味材料を細かく刻み、ミキサーを使わず、甘い黒しょうゆと水を合わせて粒感を残すタイプです。今回は淡色しょうゆと鶏スープを使い、香味材料を先に攪拌してからタオチオを加えます。
保存と取り分け
その食事で使う分を作る

生のしょうが・にんにく・唐辛子と鶏スープが入るタレです。基本は1回の食事で使う分を作り、食卓へ長時間出しっぱなしにしません。
清潔な残りだけ、速やかに冷蔵

未使用のタレが余ったら、清潔な密閉容器に移して速やかに冷蔵し、早めに使います。口を付けた道具や、鶏肉を付けた小皿の残りは共用のタレへ戻しません。生鶏肉用の包丁・まな板とは分け、タレ作りには別の清潔な器具を使ってください。
酢や砂糖で保存を保証しない

酢・砂糖が入っていても、常温保存できるという意味ではありません。保存試験をしていないため、冷蔵日数や冷凍期間は決めていません。各調味料の保存表示に従い、保存状態に不安があるものを味見で確かめないようにします。
よくある質問
普通のカオマンガイのタレと何が違いますか?
今回の特徴は、しょうが・生にんにく・タオチオ・シーユーカオ・酢・上白糖・鶏スープに少量の生唐辛子を合わせ、ミキサーで仕上げることです。甘い黒しょうゆや漬けにんにくを使う別のタイ式タレもあり、店や家庭によって構成は異なります。
シーユーダムワーンは使わないのですか?
今回採用する材料構成には含めず、基本配合では使いません。色が明るいという理由で、後から甘い黒しょうゆを足す必要もありません。
漬けにんにくは必要ですか?
使いません。今回は皮をむいた生にんにく18gを使います。甘酸っぱい漬けにんにくや漬け汁を同量加えると、味の構成が変わります。
なぜ鶏スープを入れるのですか?
今回採用する作り方は、鶏のゆで汁をタレにも合わせる構成です。鶏スープの旨味を加え、濃さを整えるため、家庭用では基本20gを使います。塩味の弱い、加熱済みで冷ましたものを選びます。
鶏スープがない場合は?
水20gでも液体量は補えますが、鶏スープの旨味は弱まり、同じ味にはなりません。今回の基本は鶏スープです。濃い市販のスープ原液を、そのまま20g加える配合ではありません。
唐辛子を入れなくても作れますか?
省くことはできます。基本版は3gですが、しょうがと生にんにくにも刺激があります。唐辛子なしで材料全体を調整した別レシピは、記事末尾で案内しています。
ミキサーなしでも作れますか?
細かく刻んで混ぜることはできますが、今回の特徴である攪拌の順序や質感とは異なります。包丁で粒感を残したい場合は、上の「刻みしょうが・にんにくの屋台風タレ」との違いをご確認ください。
ベートン鶏がないと作れませんか?
タレ自体は通常のカオマンガイ、ゆで鶏、鶏油ごはんにも合わせられます。ただし、このタレと普通の鶏で、ベートン鶏そのものの味まで再現するわけではありません。





