クルアイシュアムは、バナナを砂糖シロップでじっくり煮込み、つやのある甘い果肉に仕上げるタイの伝統スイーツです。甘じょっぱいココナッツソースをかけて食べることも多く、市場や屋台で親しまれています。
クルアイシュアムの基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料理名/タイ語名 | クルアイシュアム / กล้วยเชื่อม |
| 英語名 | Kluai Chueam / Thai Banana in Syrup |
| 食べれる場所 | 屋台、市場、タイ菓子店、フードコート、デパートの食品売り場、ローカル食堂 |
| 意味 | クルアイ=バナナ、シュアム=シロップで煮る・蜜煮にする |
| 特徴 | バナナを砂糖シロップで煮込み、つやのある甘い果肉に仕上げるタイの伝統スイーツ |
| 使われる食材 | バナナ、砂糖、パームシュガー、水、塩、ココナッツミルク、パンダンリーフ、ライム水など |
| 甘さ | ★★★★☆ |
クルアイシュアムとはどんな料理?

バナナをシロップで煮込むタイの伝統スイーツ
クルアイシュアムは、バナナを砂糖シロップでじっくり煮て作るタイの甘いお菓子です。タイ語で「クルアイ(กล้วย)」はバナナ、「シュアム(เชื่อม)」はシロップで煮る・蜜煮にするという意味があります。
タイには果物や芋類をシロップで煮る「シュアム系」のお菓子が多く、クルアイシュアムもその代表的な一つです。バナナの自然な甘さに、シロップの濃い甘みを染み込ませるのが特徴です。
硬めのバナナを使うから形が崩れにくい
クルアイシュアムには、完熟してやわらかすぎるバナナよりも、少し硬さのあるバナナが使われることが多いです。熟しすぎたバナナだと、煮ている途中で崩れやすく、仕上がりがべたっとしてしまいます。
硬めのバナナを使うことで、煮込んでも形が残り、食べたときにほどよい弾力が出ます。煮ることで甘くなるだけでなく、バナナの食感を残すところがクルアイシュアムのおいしさです。
つやのある赤みがかった色に仕上がることもある
クルアイシュアムは、煮込む時間や使う砂糖によって、黄色から赤みがかった茶色のような色に変わることがあります。パームシュガーを使うと、白砂糖だけで煮るよりも少し深い色とコクが出ます。
店頭では、つやつやしたバナナがシロップに浸かった状態で並んでいることが多く、見た目からも甘さが伝わってきます。シロップを含んだ照りのある見た目も、クルアイシュアムらしい魅力です。
ココナッツソースをかけて食べることも多い
クルアイシュアムはそのまま食べても甘いですが、塩気を少し効かせたココナッツミルクソースをかけて食べることもあります。甘いバナナにココナッツのまろやかさが加わり、よりタイらしい味になります。
このソースには砂糖だけでなく塩を入れることが多く、濃い甘さを引き締める役割があります。甘いシロップ煮に、塩気のあるココナッツソースを合わせることで、最後まで食べやすいスイーツになります。
クルアイシュアムはどんな味?

シロップが染みた濃い甘さ
クルアイシュアムは、バナナを砂糖シロップで煮込むため、ひと口目からしっかり甘さを感じます。生のバナナの自然な甘さよりも濃く、蜜が染みた和菓子や甘露煮に近い印象があります。
ただ甘いだけでなく、バナナの香りも残っているため、果物らしさも感じられます。バナナ本来の甘さに、シロップの甘みが重なることで、濃厚なデザートになります。
煮込んでも残るもっちりした食感
クルアイシュアムは、硬めのバナナを使うことが多いため、煮込んでも完全にとろけるわけではありません。外側はシロップを吸ってやわらかくなり、中にはもっちりした弾力が残ります。
この食感があることで、ただの甘いペーストのようにならず、噛むほどにバナナの味が広がります。やわらかいのに少し弾力がある食感が、クルアイシュアムの食べ応えを作っています。
ココナッツソースで甘じょっぱくなる
クルアイシュアムにココナッツソースをかけると、味の印象が変わります。ココナッツミルクのまろやかさが加わり、シロップの強い甘さが少し丸くなります。
さらにソースに塩が入ることで、甘さが引き締まり、後味が重くなりすぎません。濃い甘さのバナナに、塩気のあるココナッツソースが合わさるのがタイスイーツらしい味です。
温かくても冷やしても楽しめる
クルアイシュアムは、常温や温かい状態でも、冷やした状態でも食べられるスイーツです。温かいとシロップの甘い香りが立ち、バナナのやわらかさを感じやすくなります。
冷やすと甘さが少し落ち着き、ココナッツソースをかけたときも食べやすくなります。暑いタイでは、冷たい状態で出されることもあります。温かいと香り、冷たいとすっきりした甘さを楽しめます。
クルアイシュアムはどこで食べることができる?

市場や屋台のタイ菓子店で見つけやすい
クルアイシュアムは、タイの市場や屋台で見つけやすい昔ながらのスイーツです。特に、果物のシロップ煮やココナッツミルク系の菓子を並べているタイ菓子店で売られていることがあります。
見た目の目印は、シロップをまとってつやつやしたバナナです。黄色から赤みがかった茶色のバナナが、甘い蜜の中に並んでいたらクルアイシュアムの可能性があります。つやのあるバナナの蜜煮を探すと分かりやすいです。
フードコートやデパートの食品売り場でも買える
クルアイシュアムはローカル菓子ですが、ショッピングモールのフードコート、デパートの食品売り場、タイ菓子コーナーなどでも販売されることがあります。屋台よりも清潔感や買いやすさを重視したい人は、まずモール内で探すのもおすすめです。
パック入りで売られている場合は、ココナッツソースが別添えになっていることもあります。初めてなら、ソースを自分で調整できる別添えタイプの方が甘さを調整しやすく食べやすいです。
注文するときはタイ語表記を見せると確実
クルアイシュアムは、ローカル市場では英語表記がないこともあります。注文するときは、タイ語の「กล้วยเชื่อม」をスマホで見せると伝わりやすいです。
- กล้วยเชื่อม มีไหม
クルアイシュアム ミーマイ
クルアイシュアムはありますか? - เอากล้วยเชื่อมหนึ่งถุง
アオ クルアイシュアム ヌン トゥン
クルアイシュアムを1袋ください - ราดกะทิไหม
ラート ガティ マイ
ココナッツソースをかけますか? - หวานน้อยได้ไหม
ワーン ノーイ ダイマイ
甘さ控えめにできますか?
クルアイシュアムはシロップ煮なので、甘さはしっかりあります。甘いものが苦手な人は、ココナッツソースを少なめにする、または別添えにしてもらうと食べやすくなります。
初めてなら色と形がきれいなものを選ぶ
クルアイシュアムは、バナナの状態でおいしさが分かれます。煮崩れて形がなくなっているものより、バナナの形が残っていて、表面にツヤがあるものの方が食感を楽しみやすいです。
色は店によって黄色っぽいものから赤みのあるものまでありますが、乾いて見えるものより、シロップをまとってしっとりしているものを選ぶとよいでしょう。形が残り、表面がつやっとしているバナナを選ぶと、クルアイシュアムらしい甘さと食感を味わいやすいです。
クルアイシュアムは“甘く煮る技術”でバナナを変えるスイーツ

「シュアム」はタイ菓子でよく使われる調理法
クルアイシュアムの「シュアム」は、砂糖シロップで煮る調理法を指します。タイ菓子には、バナナだけでなく、芋、タロイモ、ジャックフルーツ、ルークチットなどをシロップで煮るお菓子があります。
つまりクルアイシュアムは、ただバナナを甘くしたものではなく、タイ菓子でよく使われる「蜜煮」の技法を使ったスイーツです。果物や芋の食感を残しながら、甘さを中まで染み込ませるところに、シュアム系菓子の面白さがあります。
硬めのバナナを使うのは、煮崩れを防ぐため
クルアイシュアムでは、完熟して柔らかすぎるバナナより、少し硬さのあるバナナが向いています。これは、長く煮ても形を保ち、食べたときにほどよい弾力を残すためです。
柔らかすぎるバナナを使うと、シロップの中で崩れてしまい、食感もぼんやりしがちです。クルアイシュアムは、煮込んでも崩れにくいバナナを選ぶことがおいしさの第一歩です。
赤みのある色は、じっくり煮込んだ証でもある
クルアイシュアムは、店によって赤みがかった色に仕上がることがあります。これは砂糖の種類や煮込み時間、火加減によって色が深くなるためです。パームシュガーを使うと、白砂糖だけの場合よりもコクのある色と味になりやすいです。
つやのある濃い色のクルアイシュアムは、見た目からも「しっかり味が染みていそう」と分かります。色とツヤは、シロップがどれだけバナナに入り込んでいるかを感じさせるサインでもあります。
甘さを塩気で整えるのがタイスイーツらしい
クルアイシュアムは甘いスイーツですが、ココナッツソースには塩が入ることがあります。この少しの塩気があることで、シロップの甘さが引き締まり、最後まで食べやすくなります。
日本人には「甘いバナナに塩気のあるソース?」と意外に感じるかもしれませんが、タイスイーツではよくある味の作り方です。強い甘さを、ココナッツミルクのまろやかさと塩気でまとめるところに、クルアイシュアムのタイらしさがあります。

