タイ語で「マヨンチット」と呼ばれるマリアンプラムは、黄色〜オレンジ色の小さなマンゴーのような見た目が特徴のタイフルーツです。完熟すると甘さの中にほどよい酸味があり、旬の時期には市場やフルーツ店でも人気があります。この記事を読むと、マヨンチットの旬や味、食べ方、おいしい実の選び方、よく似たマプラーンとの違いまで分かります。
タイのフルーツ「マヨンチット」とは?

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイ語名 | มะยงชิด |
| 読み方 | マヨンチット |
| 英語名 | Marian Plum / Plum Mango |
| 主な旬 | 1月下旬〜3月頃 |
| 果皮 | 熟すと黄色〜オレンジ色 |
| 味 | 甘酸っぱく、香りがある |
| 食感 | 厚みがあり、締まった果肉 |
| 主な食べ方 | 生食、ロイゲーオ、スムージー、菓子など |
黄色〜オレンジ色に熟す旬の短いフルーツ
マヨンチットは、タイで親しまれているウルシ科の果物です。英語では「Marian Plum」や「Plum Mango」と呼ばれ、見た目は小ぶりのマンゴーや黄色いプラムを思わせます。
未熟な実は緑色で酸味が強く、熟すにつれて黄色〜オレンジ色へ変化します。完熟した果肉は厚く、ほどよく締まりがあり、甘味のあとに爽やかな酸味が残るのが特徴です。
ナコーンナーヨックを代表するGIフルーツ
マヨンチットの産地として特に有名なのが、バンコク北東部に位置するナコーンナーヨック県です。「ナコーンナーヨック・マヨンチット」は地理的表示(GI)として登録されており、黄色〜オレンジ色の大きな卵形の実、厚く締まった果肉、香り、甘酸っぱい味わいが特徴とされています。
ナコーンナーヨックでは毎年旬になると農園や道路沿いの売店などにマヨンチットが並び、タイ国内でも春を感じさせる果物のひとつとして人気があります。
果実の中には1つの種が入っている
マヨンチットの果肉の中心には、基本的に1つの種があります。良質なマヨンチットは果実に対して種が小さく、食べられる果肉が多いのも魅力です。
種は硬く、苦味や渋味があるため食べません。果肉を食べるときは、中心の種を避けて取り除きましょう。
タイで知られるマヨンチットの代表的な品種

トゥーン・クラオ|ナコーンナーヨックを代表する人気品種
「トゥーン・クラオ(ทูลเกล้า)」は、ナコーンナーヨックで特に知られているマヨンチットの品種です。
大きめの卵形で、熟すと黄色〜オレンジ色になります。果肉は厚く締まりがあり、種は比較的小さめ。甘味と酸味のバランス、香り、食べ応えから人気が高く、ナコーンナーヨックの代表的な品種として広く流通しています。
バーンクンノン|古くから知られる系統
「バーンクンノン(บางขุนนนท์)」は、タイで古くから知られてきたマヨンチットの系統です。現在はナコーンナーヨックGIの対象品種にも含まれています。
ナコーンナーヨックで栽培されるものは、大きな卵形、黄色〜オレンジ色の果皮、厚い果肉、甘酸っぱい味という地域の品質基準を満たすものが流通しています。
ターダーン・チットサリカーなど地域品種もある
ナコーンナーヨックGIには、トゥーン・クラオやバーンクンノンのほか、「ターダーン(ท่าด่าน)」「チットサリカー(ชิดสาลิกา)」「トゥーンタワーイ」「チットサンガー」なども含まれています。
マヨンチットはマンゴーのように品種ごとの外観差が極端に大きい果物ではなく、同じ産地では見た目がよく似ることもあります。そのため市場で品種まで知りたい場合は、売り場の表示や店員に確認するのが確実です。
タイのマヨンチットの旬はいつ?

旬の中心は2〜3月頃
マヨンチットは一年中大量に流通する果物ではなく、旬が比較的短い季節限定のフルーツです。
代表産地のナコーンナーヨックでは、1月下旬頃から出荷が始まり、2〜3月頃に多く出回ります。開花から収穫まではおよそ2か月半ほどで、年によって気温や天候の影響を受けるため、出荷の始まりやピークは多少前後します。
旬のナコーンナーヨックでは農園直売も狙い目
旬の時期にナコーンナーヨックを訪れると、市場だけでなく農園や道路沿いの直売所でもマヨンチットを見つけられます。
収穫量が多い時期ほどサイズや熟度の違う実を選びやすいため、タイ旅行の日程が2〜3月と重なるなら、産地で探してみるのもおすすめです。
マヨンチットはどんな味?おすすめの食べ方

甘いだけではなく、爽やかな酸味が残る
完熟したマヨンチットは、しっかりした甘味の中にほどよい酸味があります。マンゴーほど濃厚ではなく、甘さのあとに酸味が残るため、暖かい時期でもさっぱり食べやすい味わいです。
ナコーンナーヨック産の良質なものは、香りがあり、果肉が厚く締まっているのも特徴。甘い果物が好きでも、後味が重すぎるものは苦手という人にも試しやすいでしょう。
完熟した実は皮をむいてそのまま食べる
熟したマヨンチットは、洗ったあとに薄い皮をむき、果肉をそのまま食べるのが基本です。
皮の近くは酸味を感じやすいため、タイでは皮を薄くむいて食べることが多くあります。包丁で縦に切れ目を入れて皮をむき、中心の種を避けながら果肉を食べると簡単です。
青い実は甘辛い調味料と合わせてもおいしい
まだ緑色の若いマヨンチットは酸味が強く、そのまま完熟果として食べる味とはかなり異なります。
タイでは酸っぱい果物を、ナンプラーと砂糖を使った甘辛い「ナムプラーワーン」や、唐辛子と塩を合わせた調味料につけて食べることがあります。酸味のある若いマヨンチットも、こうしたタイらしい食べ方と相性があります。
マヨンチットとマプラーンの違いは?

見た目は似ているが味とサイズに違いがある
マヨンチットとよく似ている果物が「マプラーン(มะปราง)」です。どちらも同じ仲間で外見もよく似ていますが、タイでは味や果実の特徴によって呼び分けられています。
| 比較 | マヨンチット | マプラーン |
|---|---|---|
| 熟した果皮 | 黄色〜オレンジ色 | 淡い黄色〜黄色 |
| 大きさ | 比較的大きい | 比較的小さい傾向 |
| 形 | 大きな卵形 | 細長く先端が尖るものも多い |
| 味 | 甘酸っぱい | 甘味が中心 |
| 種 | 比較的小さい | 大きめの傾向 |
| 果肉 | 厚く締まる | 品種によって異なる |
「甘酸っぱい」のがマヨンチットの大きな特徴
旅行者が覚えるなら、マヨンチット=大きめで甘酸っぱい、マプラーン=甘味が中心と考えると分かりやすいです。
ただし、どちらも品種や熟度によって味や大きさには幅があります。外見だけで判断しにくい場合は、タイ語名が書かれた値札を確認しましょう。
タイでマヨンチットを買うには?おいしい実の選び方

黄色〜オレンジ色にしっかり色づいたものを選ぶ
すぐに食べるなら、果皮が緑色ではなく、全体的に黄色〜オレンジ色へ色づいているものがおすすめです。
熟度が進むにつれて甘味を感じやすくなるため、色づきは選ぶときの分かりやすい目安になります。まだ緑色が強い実は酸味が目立ちやすいため、完熟の甘酸っぱさを楽しみたい場合は避けた方がよいでしょう。
表面がきれいで、適度な張りがあるもの
果皮に大きな傷や黒い傷みがなく、全体に張りがあるものを選びます。
マヨンチットは完熟後の変化が早いため、極端にやわらかいものや汁が出ているものは避けましょう。購入したら長期間置かず、食べ頃のうちに楽しむのがおすすめです。
旬なら市場・スーパー・産地の直売所で探せる
旬の時期はバンコクのスーパーや市場でも見かけますが、産地のナコーンナーヨックでは農園直売や道路沿いの売店など、より多くの選択肢があります。
贈答用に大粒をそろえた箱入り商品から、家庭用の小ぶりな実まで幅広く販売されるため、用途に合わせて選べます。
マヨンチットを使った代表的なスイーツ・加工品

マヨンチット・ロイゲーオ|冷たいシロップデザート
マヨンチットの代表的なデザートが「マヨンチット・ロイゲーオ」です。
皮と種を取り除いた果肉を甘いシロップに入れて冷やすもので、マヨンチットの酸味とシロップの甘さがよく合います。氷を加えて提供されることもあり、暑いタイで食べる冷たいデザートとして人気があります。
スムージーやジュース
マヨンチットは酸味と香りがあるため、スムージーやジュースにも向いています。
完熟果を使えば自然な甘味が出やすく、氷と一緒に冷たくすると爽やかな飲み物になります。旬のナコーンナーヨックでは、マヨンチットを使ったドリンクを提供する農園やカフェもあります。
ケーキやソースなど加工品にも使われる
産地では生果だけでなく、ケーキやソース、シロップ漬けなどにも加工されています。
マヨンチットは旬が短いからこそ、タイで2〜3月に見かけたら試しておきたい季節のフルーツです。まずはよく色づいた実を生で食べ、気に入ったらロイゲーオやスムージーなどのアレンジも楽しんでみてください。

