タイ料理「ゲーンマッサマン」は、日本人のなじみの言い方で言うところの「イスラム風カレー」です。世界的に認知度を広めたマッサマンカレーは、もともとタイの南部(マレーシアとの国境付近)のイスラム教を信仰している人々が食べていた料理です。
ゲーンマッサマン(マッサマンカレー)の基本情報

料理名 | ゲーンマッサマン(แกงมัสมั่น) |
英語名 | Thai massaman curry |
食べれる場所 | 屋台、食堂、レストラン、フードコート |
意味 | ゲーン:スープ、マッサマン:イスラム教の |
特徴 | マッサマンカレー |
辛さ | ★~★★(少し辛いタイ料理) |
ゲーンマッサマンとはどんな料理?

ゲーンマッサマン(แกงมัสมั่น)は、タイ南部発祥の郷土料理で、イスラム文化の影響を色濃く受けた「イスラム風タイカレー」ともいえる存在です。
タイ料理の中でも独特なスパイスづかいが特徴で、世界的にも評価の高いカレーのひとつです。
具材と特徴
イスラム教の教えの影響から牛肉は使われず、鶏肉がメインになることが多く、加えて、ホクホクに煮込まれたジャガイモがたっぷり入り、ボリューム満点。
そこにココナッツミルクとピーナッツを加えることで、濃厚でありながらほんのり甘い味わいに仕上がります。
スパイスの魅力
ゲーンマッサマンは、他のタイカレーにはあまり使われないスパイスを使用する点でも特別です。
カルダモン、シナモン、スターアニスなど中東やインド風の香辛料を取り入れており、タイ料理らしい辛さよりも、香り豊かで奥行きのある味わいを楽しむことができます。
ゲーンマッサマンはどんな味?

タイのカレーというと「辛い!」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ですが、ゲーンマッサマンはそのイメージをくつがえす“甘くてまろやか”なカレーです。
特徴的なのは、タイ料理ではあまり使われないスパイスを取り入れている点。
- カルダモン
- シナモン
- クローブ
といった香り高いスパイスが加わることで、辛さよりもむしろ上質な甘みと深い風味を感じられます。
さらにココナッツミルクのまろやかさと、ピーナッツの濃厚なコクが絶妙に合わさり、リッチで奥行きのある味わいに仕上がっています。
ゲーンマッサマンが世界的に有名になったきっかけ
ゲーンマッサマンが世界中にその名を知られるようになったのは、2011年にアメリカの人気サイト 「CNNGo」 が発表した「世界の美味しい料理ベスト50」で堂々の 第1位 に輝いたことがきっかけです。
これにより、タイ国内だけでなく世界的にも「食べるべきカレー」として一躍注目を浴びました。
ランキングの裏側とその後
当時のランキングは大きな話題となりましたが、選ばれた料理に対して「本当にこれが1位なのか?」といった賛否も多く寄せられました。
そこで改めて 約35,000人の投票 を行い、再びベスト50が決定されることに…結果、ゲーンマッサマンは 10位 にランクダウンしてしまいます。
しかし、記事の中では「1位ではないものの、依然として“カレーの王様”であることに変わりはない」と強調されており、その特別な存在感が世界的に認められていることがわかります。
ゲーンマッサマンはどこで食べることができる?
もともとゲーンマッサマンは、タイ南部で地元の人々に親しまれてきた郷土料理です。
そのため、かつてはバンコクやタイ北部ではほとんど見かけることがありませんでした。
しかし、CNNのランキングで世界的に注目を浴びて以来、首都バンコクをはじめとした大都市でも提供するお店が増え、現在では屋台や食堂、レストランでも比較的気軽に食べられるようになっています。
とはいえ、タイで人気の「グリーンカレー」や「レッドカレー」のようにどこでも食べられるわけではありません。
旅行中に必ず味わいたい場合は、事前に北部料理や南部料理を扱うレストラン、もしくは口コミで評判の良いお店をチェックしてから訪れるのがおすすめです。