タイ語で「マラコー」と呼ばれるパパイヤは、熟すと甘くやわらかな果肉を楽しめる南国フルーツです。一方、未熟な青パパイヤはソムタムなどのタイ料理に欠かせない食材として使われます。この記事では、種類や旬、味、食べ方、おいしい実の選び方まで詳しく紹介します。
タイのパパイヤ「マラコー」とは?

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 果物名/タイ語名 | パパイヤ/มะละกอ |
| 読み方 | マラコー |
| 英語名 | Papaya |
| 学名 | Carica papaya L. |
| 主な旬 | 通年 |
| 特徴 | 完熟果と青パパイヤで用途が大きく異なる |
| 主な食べ方 | 生食、ソムタム、スムージー、デザートなど |
熟すと甘くなるタイ定番の南国フルーツ
パパイヤはタイ語で「มะละกอ(マラコー)」と呼ばれる、タイでは非常に身近なフルーツです。
果実は細長いものから丸みのあるものまであり、未熟なうちは緑色ですが、成熟すると果皮が黄色〜オレンジ色へ変化します。中には黄色〜赤橙色のやわらかな果肉があり、中央部分には黒い種が数多く入っています。
タイでは一年を通して流通しているため、旅行時期をあまり気にせず食べられるのも魅力です。
中央にある黒い種は取り除いて食べる
完熟パパイヤを切ると、果実の中央に空洞があり、そこに黒く丸い種が大量に入っています。フルーツとして食べる場合は、縦半分に切ってスプーンなどで種を取り除き、皮をむいて果肉だけを食べるのが一般的です。
熟した果肉はやわらかく、マンゴーよりすっきりとした甘さと、なめらかな食感を楽しめます。
タイでは熟す前から重要な食材
パパイヤの面白いところは、熟した実だけが利用されるわけではないことです。
まだ緑色で硬い未熟果は「青パパイヤ」として料理に使われ、特に有名なのがソムタムです。
そのためタイでは、
完熟パパイヤ=フルーツ
青パパイヤ=料理の食材
という2つの顔を持っています。
同じ果物なのに、成熟段階によって味も食感も使い方も大きく変わるのがマラコーの特徴です。
タイで食べたいパパイヤの代表的な種類

カークダム|赤橙色の果肉が特徴の定番品種
「カークダム(Khaek Dam/แขกดำ)」は、タイで知られる代表的なパパイヤのひとつです。
果実は細長い円筒形で、先端に向かってやや細くなる形をしています。熟すと果肉は赤橙色〜赤色になり、甘味が強くなります。
細長い果形と鮮やかな赤橙色の果肉が分かりやすい特徴で、完熟させてフルーツとして楽しめます。
タイのパパイヤを品種ごとに比較するなら、まず覚えておきたいタイプです。
プラックマイラーイ|厚い赤色の果肉を楽しめる
「プラックマイラーイ(Plak Mai Lai/ปลักไม้ลาย)」も、完熟果として食べられるパパイヤです。
果実は円筒形で、成熟すると黄色系の果皮の中に厚みのある赤色の果肉が現れます。カークダムと同じ赤肉系ですが、肉厚な果肉を楽しめることが特徴です。
カークヌアン|ソムタムに使われる青パパイヤ
「カークヌアン(Khaek Nuan/แขกนวล)」は、青パパイヤとして料理に使われることで知られるタイプです。
未熟な段階では外皮が緑色で、内部の果肉は白〜淡い緑色。完熟パパイヤのような甘味ややわらかさはなく、硬くシャキッとしています。その特徴を生かして、細く千切りにしてソムタムなどに使います。
カークヌアンは「甘いフルーツ」ではなく、青パパイヤとしての使い方に注目したい種類です。
ホランド|大きく食べ応えのある完熟パパイヤ
タイでは「ホランド(Holland/ฮอลแลนด์)」と呼ばれる大型タイプのパパイヤも流通しています。
果実は比較的大きく、熟すと果皮が黄色〜オレンジ系になり、中の果肉もオレンジ〜赤橙色へ変化します。完熟すればそのまま生食でき、ボリュームがあるためカットフルーツとしても楽しみやすいタイプです。
タイのパパイヤの旬はいつ?一年中食べられる?

タイでは基本的に一年中流通している
パパイヤは、マンゴーやドリアンのように旬が短く集中するフルーツではありません。
温暖なタイでは年間を通して栽培・収穫されており、市場やスーパーでも比較的いつでも見つけられます。
青パパイヤも一年を通して料理に使われる
通年流通しているのは、完熟したパパイヤだけではありません。ソムタムに使う青パパイヤも年間を通して需要があるため、飲食店や市場では季節を問わず利用されています。
つまりタイでは、ひとつのパパイヤを成熟前から成熟後まで用途を変えながら利用していることになります。
旅行中ならカットフルーツでも見つけやすい
完熟パパイヤを気軽に食べたいなら、スーパーや市場のカットフルーツ売り場も便利です。大きな実を丸ごと買わなくても、皮や種を取り除いた状態で販売されているため、そのままホテルへ持ち帰って食べられます。
初めてなら、マンゴーやパイナップルなどと一緒になったフルーツセットから試してみるのもおすすめです。
完熟パパイヤと青パパイヤは別物?味・食感・食べ方の違い

完熟すると甘くやわらかなフルーツになる
完熟パパイヤは果皮が緑色から黄色〜オレンジ色へ変わり、中の果肉も鮮やかな黄色〜赤橙色になります。
果肉は非常にやわらかく、スプーンでも簡単にすくえるほど。口当たりはなめらかで、穏やかな甘味があります。
冷やして食べれば、暑いタイでも食べやすい爽やかなフルーツです。
青パパイヤは硬くシャキシャキしている
一方、熟す前の青パパイヤはまったく印象が異なります。皮は緑色で、果肉も白〜淡緑色。甘味はほぼなく、包丁で切るとしっかりした硬さがあります。
細く千切りにすると大根や硬めの野菜に近いシャキシャキした食感になり、調味料を加えても簡単には崩れません。
この食感こそが、ソムタムに青パパイヤが使われる大きな理由です。
同じ実でも熟す前と後で用途が変わる
青パパイヤをそのまま木で成熟させていけば、最終的には甘い完熟パパイヤになります。
つまり、
青い段階 → サラダや料理
完熟後 → フルーツやデザート
と、同じ果実を成熟段階によって使い分けています。
タイ料理を知るうえでは、「ソムタムのマラコー」と「フルーツ売り場のマラコー」が同じパパイヤであることを覚えておくと面白いでしょう。
青パパイヤは細く千切りにして使う
ソムタムでは、青パパイヤの皮をむき、細長く千切りにして使います。専用のピーラーを使う場合もあれば、包丁で表面に細かな切れ目を入れてから削るように千切りにすることもあります。
ここへ唐辛子、ライム、ナンプラーなどを合わせることで、青パパイヤのシャキシャキ感に辛味・酸味・塩味が絡むタイらしい一品になります。
タイでパパイヤを買うには?選び方と旅行者が知っておきたい注意点

完熟パパイヤは黄色〜オレンジ色をチェック
そのまま食べるパパイヤを選ぶなら、まず果皮の色を確認します。緑色ばかりの果実はまだ硬く、熟度が進むにつれて黄色〜オレンジ色の範囲が増えてきます。
すぐ食べたい場合は、黄色系に色づき、軽く触れたときにわずかな弾力があるものが目安です。ただし柔らかすぎたり、皮が大きくへこんでいたりするものは熟しすぎている可能性があります。
青パパイヤは緑色で硬いものを選ぶ
料理用の青パパイヤでは、完熟果とは逆に「熟していないこと」が重要です。
皮がしっかり緑色で、触ったときに硬いものを選びます。切った内部も白〜淡い緑色で、果肉に硬さが残っている状態が料理向きです。
ソムタムを自分で作る場合は、フルーツとして食べるパパイヤを購入しないよう注意しましょう。
旅行者にはカット済みが便利
完熟パパイヤには中央に大量の黒い種があり、丸ごと購入すると皮をむいて種を取り除く必要があります。
ホテル滞在なら、スーパーや市場で売られているカット済みパパイヤの方が圧倒的に楽です。
すぐ食べられるうえ、一人分の量を購入しやすく、他のフルーツとの食べ比べにも向いています。
生のパパイヤを日本へ持ち帰るときは検疫ルールを確認する
タイで購入した生のフルーツを日本へ持ち帰る場合は、植物検疫の条件が関係します。
パパイヤも現地の市場で購入したものをそのままお土産感覚で持ち帰るのではなく、日本への持ち込み条件を事前に確認する必要があります。
旅行中に食べる生パパイヤは現地で楽しみ、お土産ならドライパパイヤや加工菓子などを検討する方が手軽です。
パパイヤを使った代表的なタイ料理・スイーツ

ソムタム|青パパイヤを使うタイ代表料理
青パパイヤを使った料理で最も有名なのが「ソムタム」です。
細く千切りにした青パパイヤに唐辛子、ライム、ナンプラー、トマトなどを合わせ、クロックと呼ばれる臼の中で軽く叩きながら味をなじませます。
辛い・酸っぱい・甘い・塩辛いというタイ料理らしい味を、青パパイヤのシャキシャキした食感と一緒に楽しめる一品です。
パパイヤの記事から料理記事へつなぐなら、最重要の内部リンクになります。

ソムタムタイ|日本人にも知られる定番タイプ
「ソムタムタイ」は、ソムタムの中でもタイ旅行者が比較的見つけやすいタイプです。
青パパイヤにトマト、いんげん、ピーナッツ、干しエビなどを合わせ、ライムやナンプラー、砂糖、唐辛子で味付けします。
甘酸っぱさもあるため、辛さを控えめに注文すれば初めてのソムタムとしても挑戦しやすいでしょう。

ソムタムプラーラー|発酵魚の風味を効かせたタイプ
タイ東北部・イサーンで特に親しまれているのが、プラーラーを使ったソムタムです。
プラーラーは魚を発酵させて作る調味料で、独特の強い香りとうま味があります。
同じ青パパイヤを使っていても、ソムタムタイとは風味が大きく異なるため、マラコーがさまざまな地域料理へ使われていることが分かります。
完熟パパイヤはそのまま食べるのが定番
料理のイメージが強いパパイヤですが、完熟果はシンプルに冷やして食べるだけでも十分おいしく楽しめます。
種と皮を取り除き、食べやすい大きさに切れば完成。市場やホテルの朝食、フルーツ盛り合わせなどでもよく見かけます。
パパイヤ本来のやわらかな食感と穏やかな甘さを知るなら、まずは生の完熟果がおすすめです。
スムージーやフルーツデザートにも使われる
熟したパパイヤは果肉がやわらかいため、スムージーやジュースにも向いています。
マンゴーやパイナップルなどほかの南国フルーツと組み合わせたり、ヨーグルトや氷と一緒にミキサーへかけたりすれば、飲みやすいフルーツドリンクになります。
青パパイヤのソムタムとはまったく違うため、タイ旅行では料理用とフルーツ用の両方のマラコーを体験すると、その使い方の幅がよく分かります。

