カフェボーラーン(กาแฟโบราณ)は、タイの昔ながらのコーヒーです。布のフィルターで淹れるスタイルが知られ、屋台のメニューでは練乳入りの甘いミルクコーヒーもこの名で売られています。香ばしい苦みとミルクの濃い甘さがあり、砂糖を入れない日本のカフェオレとは違う味わいです。温かいものと冷たいものがあるので、注文するときは温度も伝えましょう。ミルク入りの一杯を中心に、味や頼み方、オーリアンとの違いを紹介します。
カフェボーラーンの基本情報

| 飲み物名/タイ語名 | カフェボーラーン/กาแฟโบราณ |
|---|---|
| 英語名 | Kafae Boran / Traditional Thai Coffee |
| 飲める場所 | 市場のドリンク屋台、昔ながらの喫茶店、一部の食堂やタイティー専門店 |
| 意味 | カフェ=コーヒー、ボーラーン=昔ながらの・古式の |
| 特徴 | 昔ながらの製法や淹れ方のタイコーヒー。メニューではミルク入りを指すこともある |
| 使われる食材 | コーヒー粉、水。ミルク入りでは加糖練乳、無糖練乳、砂糖など。粉の配合や乳製品は商品・店によって異なる |
| 甘さ | ★★★★☆(ミルク入りの目安。練乳や砂糖の量で変わる) |
カフェボーラーンとはどんな飲み物?

「昔ながらのコーヒー」という名前
カフェはコーヒー、ボーラーンは昔ながらの、古式のという意味です。特定の豆の品種名ではなく、昔ながらの製法や淹れ方のコーヒーを指します。焙煎した粉の商品名にも、店の看板にも使われる言葉です。
看板に「カフェボーラーン」とあっても、ミルク入りだけを売る店とは限りません。ブラックも選べる店では、メニューの写真を見て、ミルク入りかどうか確かめてから頼みましょう。
布のフィルターを使い、濃いめに淹れる
昔ながらの店では、持ち手と輪の付いた袋状の布フィルターに粉を入れ、湯を注いで抽出します。長い布袋が道具の目印です。抽出したコーヒーに練乳や砂糖を混ぜ、冷たいものなら氷を入れた容器へ注ぎます。
布袋にはコーヒーの粉が残り、こした液体を飲みます。湯に粉を溶かすインスタントコーヒーとは、この点が違います。
コーヒー粉の配合も一種類ではない
カフェボーラーン用の粉には、コーヒーに穀物などを合わせたものも、穀物を混ぜていないものもあります。同じ名前でも粉の配合が違うため、店によって香ばしさや苦みも変わります。
袋入りの粉を買うときは、商品名だけでなく原材料と淹れ方も見てください。細かい粉状でも、湯に溶けるインスタントとは限らず、フィルターでこすものがあります。店で気に入った味を家で試すなら、何の粉を使っているか聞くのも一つの方法です。
カフェボーラーンはどんな味?

コーヒーの苦みに、練乳の濃い甘さが重なる
ミルク入りでは、コーヒーの苦みや焙煎の香りに、加糖練乳の甘さが重なります。砂糖を入れないカフェオレと比べると、甘みをはっきり感じる一杯です。無糖のコーヒーを普段飲む人は、注文時に甘さを指定すると飲みやすくなります。
ミルクのまろやかさがあっても、コーヒー由来のカフェインは含まれます。ミルクの量で色が変わるので、淡い茶色だからコーヒーが少ないとは判断できません。
加糖練乳と無糖練乳では役割が違う
タイのミルクコーヒーでは、加糖練乳と無糖練乳を使い分けるレシピがあります。加糖練乳は甘みとミルクの風味を、無糖練乳は砂糖を加えずにミルクのコクを足す材料です。両方を合わせる作り方もあります。
日本で「練乳」と聞いて思い浮かべる甘いものだけが、使われているとは限りません。店によって牛乳やクリーマーを使う場合もあるので、見た目が似たミルクコーヒーでも口当たりは変わります。
タイ語では、加糖練乳が「นมข้นหวาน」、無糖練乳が「นมข้นจืด」です。後ろの「หวาน」は甘い、「จืด」は甘みや味の付いていないという意味で、缶やレシピの表記を読む手がかりになります。ただし、無糖練乳を使っていても、別に砂糖を加えれば飲み物は甘くなります。
底に練乳が残っていたら、飲む前に軽く混ぜる
温かいものは、コーヒーの香りを感じながら少しずつ飲めます。練乳が底に残っていたら、軽く混ぜてから飲みましょう。途中で急に甘くなるのを防げます。
冷たいものは、氷が溶けるにつれて味が薄まります。散策中に少しずつ飲むと、買った直後の濃い味から、次第に軽い口当たりへ変わっていきます。
カフェボーラーンはどこで飲める?頼み方は?

市場のドリンク屋台や昔ながらの喫茶店で探す
探すなら、市場の飲み物売り場や街角のドリンク屋台、昔ながらの喫茶店をのぞいてみてください。看板やメニューに「กาแฟโบราณ」があるか見てみましょう。店名や看板に書かれている場合は、メニューで飲み方も選びます。
タイティー専門店のChaTraMue(チャトラムー)の公式メニューにも、カフェボーラーンとオーリアンが別々に載っています。初めてで屋台の注文が難しそうなら、こうした専門店で探す方法もあります。取扱商品やサイズ、価格は店舗で確認してください。
冷たいものは「イェン」、温かいものは「ローン」
「ボーラーン」という言葉だけでは、温かいか冷たいかは決まりません。冷たいものは「เย็น(イェン)」、温かいものは「ร้อน(ローン)」です。写真を指さしたうえで温度を伝えると、注文の行き違いを減らせます。
一杯頼むなら、冷たいものは「กาแฟโบราณเย็น 1 แก้ว」、温かいものは「กาแฟโบราณร้อน 1 แก้ว」の表記を見せると伝わりやすくなります。ミルク入りの写真やメニューを指さしてから、希望の温度を伝えましょう。
甘さ控えめでも、練乳の甘さは残る
甘さ控えめは「หวานน้อย(ワーンノーイ)」です。「กาแฟโบราณเย็น หวานน้อย」を見せると、冷たいカフェボーラーンを甘さ控えめで頼むときに使えます。混ぜた後では甘さを減らしにくいので、作り始める前に伝えます。
砂糖だけを減らしても、加糖練乳が入れば甘みは残ります。練乳を減らすとミルクの風味も変わるので、「甘さ控えめ」と「無糖」は別の希望として伝える必要があります。加糖済みの材料を使う店では、無糖にできないこともあります。
オーリアンとの違いと、名前で迷わないための豆知識

オーリアンはミルクなしでも甘いことがある
オーリアンは、一般にミルクを入れず、砂糖で甘みを付ける冷たいタイコーヒーです。黒い見た目から日本の無糖アイスコーヒーを想像すると、違いに驚くかもしれません。ミルクの有無と、甘さの有無は分けて考えましょう。
| 名前 | メニューでの目安 |
|---|---|
| カフェボーラーン กาแฟโบราณ | 昔ながらのコーヒーの呼び名。飲み物としては練乳入りを指すこともある |
| オーリアン โอเลี้ยง | ミルクを入れない甘いアイスコーヒー |
| ヨックロー ยกล้อ | オーリアンに無糖練乳などのミルクを加えるタイプ |
ヨックローは、黒いオーリアンにミルクを足すタイプです。カフェボーラーンのミルク入りと見た目が似ることもありますが、練乳や砂糖の量は店ごとに違います。初めてなら、まず「ミルク入りか、なしなのか」を決めてからメニューを見ると選びやすくなります。
「カフェーイェン」は、昔ながらの製法とは限らない
カフェーイェン(กาแฟเย็น)は、言葉の意味では冷たいコーヒーです。店では甘いミルク入りを指すこともありますが、「イェン」だけで布フィルター抽出や特定の粉を使うことまでは決まりません。エスプレッソを使う店でも見かける名前です。
昔ながらの味を試したいときは、「カフェボーラーン」があるかを探すのが一つの手がかりです。反対に、普段飲んでいる無糖のアイスコーヒーに近いものがよければ、アメリカーノなど別のメニューも見て、甘さを確かめて選びましょう。
朝食と合わせるなら、揚げパンも候補に
朝の市場でコーヒーと一緒に軽く食べたいなら、タイの揚げパンパートンコーもよく合います。砂糖をまぶした日本の揚げパンとは違い、生地の香ばしさを味わうパンです。甘いミルクコーヒーと、揚げたてのパンを交互に楽しめます。
パートンコーに練乳などの甘いソースが添えられていたら、まずはパンだけでもひと口。コーヒーもしっかり甘いので、ソースは少しずつ付けると食べやすくなります。

