タイ料理「ゲーンテーポー」とは!ゲーンテーポーはパックブン(空芯菜)と豚三枚肉を使ったゲーン(汁物)です。通常タイ料理ではライムで酸味をつけることが多いのですが、ゲーンテーポーはコブミカンの実を使います。
ゲーンテーポーの基本情報

料理名 | ゲーンテーポー(แกงเทโพ) |
英語名 | Red Curry with Pork and Morning Glory |
食べれる場所 | 屋台、食堂、レストラン、フードコート |
意味 | ゲーン:汁物、テーポー:ナマズ |
特徴 | 空芯菜と豚肉のレッドカレー |
辛さ | ★★~★★★(辛いタイ料理) |
ゲーンテーポーとはどんな料理?

ゲーンテーポーは、タイの家庭料理として親しまれている汁物で、パックブン(空芯菜)と豚バラ肉をたっぷり使ったカレー風スープです。
ベースはレッドカレーに似ていますが、大きな特徴は「酸味のつけ方」にあります。
一般的なタイ料理ではライムの酸味がよく使われますが、ゲーンテーポーではコブミカンの実(マックルート)を加えるのが伝統的なスタイル。
独特の香りとフルーティーな酸味がスープ全体を引き締め、濃厚な豚肉との相性も抜群です。
お店によってはタマリンドを使って酸味を出す場合もありますが、コブミカン特有の爽やかさはこの料理ならではの魅力と言えるでしょう。

名前に「テーポー」とあるけれどナマズは入っていない?

ゲーンテーポーのユニークな点は、その名前にあります。
「テーポー(เทพอ๋อ)」とは本来ナマズの一種を指す言葉なのですが、実際のゲーンテーポーにはナマズは一切使われていません。
なぜそうなったのかには諸説があり、昔はナマズを使って作られていたものの、流通や保存が難しかったために豚肉に置き換わったという話もあります。
ただし、これはあくまで推測で、はっきりとした理由は分かっていません。
現在では「豚バラ肉と空芯菜の酸味カレー」というイメージがすっかり定着していて、名前だけが昔の名残として残っているのです。
ゲーンテーポーはどこで食べることができる?

日本人にとって「空芯菜をカレーの具にする」という発想はちょっと意外かもしれません。
ですが、タイでは空芯菜を日常的によく食べるため、「空芯菜のカレーといえばゲーンテーポー」と言われるほどポピュラーな料理です。
そのため、タイでは屋台からローカル食堂、さらにはレストランまで幅広い場所でゲーンテーポーを楽しむことができます。
特におすすめなのが 「カオラートゲーン」 と呼ばれるぶっかけご飯スタイルのお惣菜屋台。
数種類のおかずが並んでいて、ご飯に好きなものを選んでかけてもらうシステムで、ゲーンテーポーも定番の一品としてよく登場します。

酸味はライムだけじゃない!「コブミカンの実」
タイ料理といえば「辛さ」だけでなく、「酸味」も欠かせない要素です。
ピリッとした辛さとキュッと引き締まる酸っぱさの組み合わせこそ、タイ料理の醍醐味と言っても過言ではありません。
その酸味をつける代表的な食材がライム(マナオ)で、レモンよりも香りがよく、爽やかな酸味がタイ料理にぴったりです。
また、南部料理ではインド系の影響を受けて、タマリンドを酸味のベースに使うこともよくあります。
そしてゲーンテーポーの酸味を決める最大のポイントが 「コブミカンの実」 です。
コブミカンといえば葉を使うトムヤムクンやグリーンカレーが有名ですが、実の部分は料理に使われることが少なく、ゲーンテーポーはその数少ない例。
独特の香りとフルーティーな酸味が、濃厚な豚肉と空芯菜のカレーに唯一無二の深みを与えています。