ヤムパックブーントードグローブは、空心菜に薄い衣を付けてカリッと揚げ、ライムやナンプラー、唐辛子などで作るヤムだれと合わせて食べるタイ料理です。タレにはエビや豚ひき肉、ナムプリックパオ、ココナッツミルクを加えるタイプもあり、サクサクした野菜と濃厚な辛酸っぱさを一度に楽しめます。空心菜炒めとはまったく違う食感で、前菜や複数人でシェアする一品にもおすすめです。
ヤムパックブーントードグローブの基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料理名/タイ語名 | ヤムパックブーントードグローブ(ยำผักบุ้งทอดกรอบ) |
| 英語名 | Crispy Morning Glory Salad/Crispy Water Spinach Salad |
| 食べられる場所 | タイ料理レストラン、シーフード店、ローカル食堂 |
| 意味 | ヤム=和える、パックブーン=空心菜、トード=揚げる、グローブ=カリカリ |
| 特徴 | 揚げ空心菜のサクサクヤム |
| 使われる食材 | 空心菜、揚げ衣、唐辛子、ライム、ナンプラー、エビ、豚ひき肉、ホムデーンなど |
| 辛さ | ★★★☆☆ |
ヤムパックブーントードグローブとはどんな料理?

空心菜に衣を付けてカリッと揚げる
ヤムパックブーントードグローブは、空心菜を生のまま和えるのではなく、葉や柔らかい茎に衣を付けて油で揚げる料理です。空心菜は食べやすい長さに切り、水気をよく切ってから衣へくぐらせます。
家庭向けのレシピでは、小麦粉と米粉を混ぜた衣や、市販の揚げ粉を冷たい水で溶いた衣が使われています。十分に熱した油で揚げることで、空心菜の形を残しながら軽いサクサク感を作ります。
葉と茎を一緒に楽しめる野菜料理
空心菜は葉と茎で厚さが異なるため、揚げたときの食感にも違いが出ます。薄い葉はパリッと軽くなりやすく、茎は内部が空洞なので、衣の香ばしさの中に野菜らしい歯応えが残ります。
衣を厚くしすぎると空心菜より揚げ衣の存在感が強くなり、油も重く感じやすくなります。野菜が見える程度の薄い衣に仕上げたものほど、空心菜らしい味と食感を楽しみやすいでしょう。
揚げ空心菜とヤムだれを組み合わせる
ヤムだれの基本は、ライム果汁、ナンプラー、パームシュガーや砂糖、唐辛子、ホムデーンなどです。酸味・塩味・辛味・甘味を組み合わせ、揚げ物の香ばしさを重たく感じさせない味に整えます。
一般的なヤムのように最初から全体を混ぜると、空心菜の衣が急速に水分を吸ってしまいます。そのため、揚げ空心菜とヤムだれを別々に盛り、食べる直前に少しずつ合わせるスタイルもよく見られます。
エビや豚ひき肉を使うタイプも多い
ヤムだれには、茹でたエビや火を通した豚ひき肉を加えるタイプがあります。ナンプラーとライムだけの軽いタレではなく、肉や魚介の旨味を含んだ具だくさんのソースとして提供されるのが特徴です。
さらに、ナムプリックパオやココナッツミルク、ピーナッツ、カシューナッツを加えるレシピもあります。空心菜の揚げ物を中心にした料理ですが、具材によっては主菜に近い食べ応えになります。

ヤムパックブーントードグローブはどんな味?

サクサクした空心菜に辛酸っぱいタレが絡む
揚げた空心菜だけを食べると、衣の香ばしさと軽い塩気が中心です。そこへヤムだれを合わせると、ライムの爽やかな酸味、唐辛子の辛味、ナンプラーの塩気と魚介由来の旨味が加わります。
揚げ物のコクとヤムだれの刺激が対照的で、サクッとした直後に酸味と辛味が広がるのが、この料理の大きな魅力です。
ナムプリックパオ入りは甘辛く濃厚
ナムプリックパオを使うタイプでは、唐辛子の辛さだけでなく、炒めた香味野菜や油の香ばしさ、甘味も加わります。透明感のある一般的なヤムだれよりも色が濃く、口当たりもしっかりしています。
ココナッツミルクを加えると、さらにまろやかさとコクが増します。ライムの酸味は残りますが、クリーミーな甘味が辛さを包み込むため、濃厚な味を好む人にも向いています。
エビや豚ひき肉で旨味が深くなる
エビを使うタイプでは、プリッとした食感と甲殻類の甘味が加わります。豚ひき肉が入ると肉の旨味がヤムだれに溶け込み、野菜だけで作るものよりコクのある仕上がりになります。
空心菜のサクサク感、エビの弾力、豚ひき肉の柔らかさ、ナッツのカリッとした歯応えが重なり、一皿の中で複数の食感を楽しめるのも特徴です。
空心菜は食べやすいがタレの辛さに注意
空心菜そのものには強い苦味や独特の香りがなく、衣を付けて揚げるため、日本人にも比較的食べやすい料理です。パクチーや強い発酵調味料が苦手な人でも、具材を確認すれば挑戦しやすいでしょう。
一方、ヤムだれには生の唐辛子が入ることがあります。空心菜が辛くないからと油断せず、辛いものが苦手な人は、唐辛子を減らすかタレを別添えにしてもらうのがおすすめです。
ヤムパックブーントードグローブはどこで食べられる?

タイ料理レストランで探しやすい
ヤムパックブーントードグローブは、一般的な食べ歩き屋台よりも、メニュー数の多いタイ料理レストランで探しやすい料理です。空心菜を注文後に揚げ、別にヤムだれを作る必要があるため、屋台の軽食より一品料理として提供される傾向があります。
タイでは「ยำผักบุ้งทอดกรอบ」という名前で、タイ料理店やシーフード店のメニューにも掲載されています。
シーフード店ではエビ入りも見つかる
エビや豚ひき肉を加えたヤムだれは、この料理でよく見られる組み合わせです。そのため、魚介料理を多く扱うシーフードレストランでも探せます。
複数人で食事をする場合は、魚料理やカレーと一緒に注文し、前菜のようにシェアするのがおすすめです。揚げ空心菜は見た目より量があるため、一人で食べ切るより数人で分けやすい料理です。
英語メニューでは「Morning Glory」を確認
英語メニューでは、次のように表記されることがあります。
- Crispy Morning Glory Salad
- Deep-Fried Morning Glory Salad
- Crispy Water Spinach Salad
- Yam Pak Boong Tod Krob
タイ料理のメニューにある「Morning Glory」は、朝顔の花ではなく空心菜を指します。写真付きメニューでは、緑の空心菜に衣が付き、別の器にヤムだれが添えられた料理を探すと分かりやすいでしょう。
注文時は辛さとタレの出し方を伝える
料理名を伝えるときは、タイ語表記の「ยำผักบุ้งทอดกรอบ」をスマートフォンで見せると確実です。
注文時には、次の表現が使えます。
- ヤムパックブーントードグローブはありますか:ミー・ヤムパックブーントードグローブ・マイ?
- 1皿ください:コー・ヌン・ジャーン
- 辛さ控えめで:アオ・ペット・ニットノイ
- 唐辛子を入れないで:マイ・サイ・プリック
- ヤムだれを別にしてください:ナムヤム・イェーク
まったく辛くしたくない場合は、「辛くしないで」だけでなく、マイ・サイ・プリックと唐辛子を指定して伝えると分かりやすくなります。

サクサク感を最後まで楽しむために知っておきたいこと

パックブンファイデーンとは調理法が違う
タイの空心菜料理としてよく知られているのが、パックブンファイデーンです。こちらは空心菜をニンニク、唐辛子、調味料と一緒に強火で炒め、茎のシャキシャキ感を楽しみます。
ヤムパックブーントードグローブは、空心菜に衣を付けて揚げるため、食感も味の構成も大きく異なります。炒めて香りを出すのがパックブンファイデーン、衣の軽さを楽しむのがヤムパックブーントードグローブです。

「ヤム」でも最初から全部混ぜない
ヤムウンセンなどの一般的なヤムは、主役の食材とヤムだれをしっかり和えて提供されます。しかし、ヤムパックブーントードグローブは、最初から完全に混ぜると衣がタレを吸って柔らかくなります。
料理名に「ヤム」と入っていても、揚げ空心菜とタレを別々に盛るのは不自然ではありません。食べる直前に一口分ずつ合わせることが、おいしく食べるポイントです。
タレはかけるより少量ずつのせる
揚げ空心菜をヤムだれの中へ長く浸すと、衣がすぐにしんなりします。サクサク感を残したい場合は、スプーンでエビや豚ひき肉を含むタレを少量すくい、空心菜の上にのせて食べましょう。
辛さを自分で調整できるだけでなく、葉や茎の食感も最後まで残しやすくなります。複数人でシェアするときも、大皿全体へタレを一度にかけないほうが失敗しにくいです。
持ち帰りでは揚げ空心菜とタレを分ける
テイクアウトする場合は、揚げ空心菜とヤムだれを別々の容器に入れてもらいましょう。タレをかけた状態で移動すると、到着するころには衣が水分を吸い、料理の魅力であるサクサク感が弱くなります。
店内で食べない場合は「ナムヤム・イェーク」と伝え、食べる直前に組み合わせます。タイのレシピでも、すぐに食べない場合は揚げ空心菜とヤムだれを分けて提供する方法が勧められています。
エビ・ナッツ・魚醤の有無を確認する
見た目は野菜料理ですが、一般的なタイプにはエビ、豚ひき肉、ナンプラー、ピーナッツ、カシューナッツなどが使われることがあります。甲殻類やナッツにアレルギーがある人は、注文前に具材を確認してください。
肉や魚介を使わず、醤油やタマリンド、植物性のナムプリックパオなどで作るベジタリアン仕様もあります。ただし、通常の料理がベジタリアン対応とは限らないため、野菜料理に見えても調味料まで確認することが大切です。
まとめ

ヤムパックブーントードグローブは、空心菜に薄い衣を付けてカリッと揚げ、辛酸っぱいヤムだれと合わせて食べるタイ料理です。
空心菜の葉はパリッと軽く、茎には野菜らしい歯応えが残ります。そこへライムの酸味、唐辛子の辛味、ナンプラーの塩気と旨味を含んだタレが加わり、炒めた空心菜とはまったく違う味と食感を楽しめます。
ヤムだれには、エビや豚ひき肉、ナムプリックパオ、ココナッツミルク、ナッツ類などを加えるタイプもあります。そのため、軽い野菜料理から、濃厚で食べ応えのある一皿まで、店によって仕上がりはさまざまです。
おいしく食べる最大のポイントは、揚げ空心菜とヤムだれを食べる直前まで分けておくことです。タレを少量ずつのせれば、サクサクした食感と辛酸っぱい味を最後まで楽しめます。


