タイの最も有名な観光名所のひとつ「ワットポー(Wat Pho)」ですが、ただ観光に行くだけでは勿体無い。せっかくワットポーに行くのであれば事前にワットポーの知識をつけ、魅力を知り、ひと一倍ワットポーを楽しみましょう。
ワットポーの基本情報
正式名称 | ワットプラチェートゥポンウィモンマンカラーラーム=ラーチャウォーラマハーウィハーン |
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名称 | ワット ポー(Wat Pho) |
住所 | 2 Sanamchai Road, Grand Palace Subdistrict, Pranakorn District, Bangkok |
営業時間 | 8:30〜18:30 |
料金 | 拝観料:300バーツ |
ワットポーとはどんな寺院?
仏暦2331年(西暦1788年)「ラーマ1世」により建立された「バンコク最古の寺院」ワットポーは、タイの首都バンコク・プラナコーン区にある寺院で、バンコクでもっとも歴史が古いとされている寺院です。
ワットポーの正式名称は「ワットプラチェートゥポンウィモンマンカラーラーム=ラーチャウォーラマハーウィハーン」といい、名前は長く複雑であればあるほど箔がつき、ありがたみが増すと言われています。
本堂には全長50m弱の「涅槃仏(ねはんぶつ)」(寝釈迦像)があることから、「涅槃寺」や「涅槃仏寺」と呼ばれています。
ワットポーの敷地は50ライ(80000平方m)ととても広く、南北に2分されています。北側には本堂や礼拝堂、マッサージなど、南側には僧房があります。
ワットポー最大の見所!寝釈迦仏
ワットポーの魅力は何と言ってもこの寝釈迦仏!全長50m弱、高さ15mもある寝釈迦仏ですが、寝ていながら高さが15mというのはとても大きく、高さだけでいうと奈良の大仏とほぼ同じ高さなのです。
(1)寝釈迦仏の見学の方法
寝釈迦仏は礼拝堂にあるのですが、礼拝堂は神聖な場所とされているため入る際は履物を脱がなければいけません。
脱いだ履物は入り口に履物入れの袋があるので、履物入れに自分の靴を入れて持ち運びます。
礼拝堂の出口には履物入れ袋を回収するボックスがあるので、そこに戻しましょう。
(2)そもそも寝釈迦像はなぜ寝ているのか?
寝釈迦像が寝ている理由はリラックスしている状態というわけではなく「入滅の様子を表している」のです。
入滅とは
入滅とは、釈迦の死のことをいいます。高僧の死などに使用する言葉で、涅槃にはいることを意味します。
目が開いている涅槃仏:入滅前の最後の説法中を表している
目を瞑っている涅槃仏:まさに入滅の瞬間を表している
このように入滅の瞬間を表している様子の仏像を「涅槃像」「寝釈迦像」といいます。
日本で涅槃像を見ることは少ないと思いますが、日本に涅槃像が少ない理由は、同じ仏教でも宗教観の違い、釈迦の死に対する考え方の違いがあるからなんです。
(3)寝釈迦仏の足の裏は何がある?
寝釈迦像の足の裏は長さ5m、幅が1.5mもあります。足の裏は真っ平らで扁平足、これは「悟りを開いたものの印」なのです。
足の裏には108の絵が、これは仏教徒に深い関わりを持つバラモン教の宇宙観が、螺鈿細工という技法で描かれています。
螺鈿は伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつ。貝殻の内側の虹色に輝く部分(真珠層)を切り出した板状の素材を、彫刻された表面にはめ込む手法です。
(4)108の煩悩を捨てる鉢とサタン硬貨
寝釈迦像の礼拝堂には煩悩を捨てる108の鉢が並んでいます。希望者は20バーツでサタン硬貨を購入し、それを鉢に入れていきます。
サタン硬貨とは?
「バーツ」よりも小さいお金。日本でいう「銭」です。(1バーツ=100サタン)
(5)人間の苦の原因、煩悩とは
煩悩は仏教で心身を悩ませ、煩わせ、苦しめ、汚す心の作用のことをいいます。仏教では、煩悩が人間の苦の原因になるとされており、仏教によって煩悩の定義は3つ〜8400まであります。
日本で有名なのは、「煩悩は108つあるから、除夜の鐘を108回ついて煩悩をなくす」などと言われています。
ワットポーの本堂の楽しみ方
ワットポーは涅槃像(寝釈迦像)がインパクトがあり有名ですが、本堂にも見所がたくさんあります。
礼拝度は観光客も多く賑わっていますが、本堂は観光客が少なく静かな雰囲気の中、観光をすることができるので、日本とは違う、タイならでわの寺院の雰囲気を楽しむことができます。
本堂は、「外回廊」と「内回廊」によって二重におり囲まれており、この本堂自体はラマ1世のころに建立され、ラマ3世のころに修復されて今の形になっています。
外回廊には244体、内回廊には150体の仏陀像があり、これはラーマ1世の時にタイの北部から持ち込まれたものでスコータイ・チェンセーン・アユタヤ王朝の仏像となっています。
仏像はそれぞれ表情が違うので、ひとつひとつの仏像の表情を楽しむことができます。
本堂のブロンズ製の本尊
本尊
本堂にはもともとトンブリーのワット・サラシーナの本堂から移したブロンズ製の本尊があり、これはアユタヤ時代の仏陀像で瞑想している姿を表しています。
ブロンズ製には金箔が塗られており、黄金いろに輝いています!その他にも150体の仏像が安置されています。
台座
台座にはラーマ1世の遺骨が納められており、涅槃像の雰囲気とはまた違った厳粛な雰囲気が漂っています。
ワットポーをより楽しむための仏像の知識を簡単に紹介
ワットポーにはたくさんの仏像があります。この仏像の表情や髪型、手の形など、ひとつひとつの仏像に様々な意味があるのです。そういった知識を知っておくだけで、ワットポー観光を10倍楽しむことができます。
(1)知っていますか?仏像の位
【如来】(最も位が高い)
如来は、悟りを開いたお釈迦様。悟りを経て以降の境地に達したものだけに与えら得られる最高の地位の仏。
【菩薩】
菩薩は「悟りを求めるもの」。最高の境地である「悟り」を得るために遊行中の仏、如来を目指すものである。
【明王】
明王は、如来の名を受け、正しい道に向かわない者に対し怒り、手に持った縄を使い強引に相手を屈服させる役割の仏です。
【天部】
天部は天上の世界に住む鬼神(仏教に帰依した神々)を意味する。仏教を信じる心を妨げる外敵から人々を守る役割。
(2)仏像の頭のボツボツの意味は?
この一見パンチパーマのようなボツボツは「仏様の髪の毛」なんです。「螺髪(らほつ)」といって知恵の象徴で必ず右巻きになっています。この髪型は昔のインドの階級の高い人たちの髪型に由来していると言われています。
(3)頭がボツボツとそうでない仏像の違いは?
仏像の中には頭がボツボツの仏像とそうでない仏像がいると思いますが、その違いは単純で、「悟りを開いているかどうか」です。
「螺髪(らほつ)」は「悟りを開いた仏様」にでてくる特徴で、人間を超えた存在を表すという特徴をもっています。
(4)仏像の姿勢について
【立像】(立っている像)
立ち上がり、人々を救おうと積極的に働きかけている仏様の姿。
【坐像】(座っている像)
瞑想の修行中の姿や説法をしている姿。
【臥像】(寝ている像)
横になり涅槃に入る釈迦の姿を表したもの。
(5)仏像の手の意味
仏像はさまざまな手の形をしています。
【禅定印】(ぜんじょういん)
両手の手のひらを上に向け重ね親指同士が触れ合う形。深い瞑想に入った姿。瞑想なので、座禅のポーズがこの形です。手の重ね方によって身が変わってきます。
右手が下の場合:教えを受けるポーズ
左手が下の場合:教えを説くポーズ
【説法印】(せっぽういん)
両手を胸の前にあげ、親指と人差し指を合わせて輪をつくる形。如来が説法する姿を表す印。
【施無畏・与願印】(せむい・よがんいん)
右手は上げ、左手は下げ、手のひらを開いた形。
右手:人々の恐れを取り除く「施無畏印(せむいいん)」
左手:人々の願いに応じる「与願印(よがんいん)」
仏像の印の中で一番よく見かけるのがこの2つの印。仏と対面するこちらの緊張をほぐし、願い事をきくポーズ。一般的に施無畏印と与願印はセットのことが多いが、どちらか片方のケースもあります。
【降魔印(ごうまいん)】触地印(しょくちいん)
片手の手を下し人差し指(もしくは中指)で地面に触れる形。悟りを得た釈迦が悪魔を退けた姿。
日本にはこの印を結ぶ仏像はいません。
このように仏像の手の形にはたくさんの意味があるのです。まだまだ手の形の種類はありますが、今回はこの5つをご紹介させていただきました。
どうでしょう。意外と知らない仏像の知識・・・。ワットポーの仏像のにも注目してみてください。
ワットポーの壁画、仏塔、仏像
(1)8枚の壁画
扉の外側に8枚の壁画が描かれております。
- ラーマキエン物語
- お釈迦様の一生
- お釈迦様の41人の優れた弟子たち
- 天国の話
- タイの童話の元になった話
などが描かれています。
本堂の外側には金箔とガラスで飾られた木彫りで、内側にはタイの位の高い僧侶の名前が書かれています。
(2)歴代の王様のお墓、仏塔
4色の仏塔は歴代国王のお墓となっております。
現チャクリー王朝のラーマ1世から4世までの歴代王を象徴する大きな仏等。中国からやってきた陶器の破片をはめ込んで作られた塔は微妙に色分けされており、中にはそれぞれの王の遺骨が納められています。
緑色の塔 | ラーマ1世 |
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白の塔 | ラーマ2世 |
黄色の塔 | ラーマ3世 |
青色の塔 | ラーマ4世 |
(3)ワットポーの壁や柱の絵や文字の意味
19世紀にラーマ3世は各分野の有識者を集めました。
そして、ワットポーの礼拝堂・本堂・回廊・周りに立っているサーラーの壁や柱に、
- タイの医学
- 占星術
- 仏教教理
- 芸術
- 歴史
などの知識を分かりやすく解説したも絵や文章を書かせ、訪れる人に当時の最高の知識を解放しました。これがワットポーが「タイの知識の殿堂」とよばれる所以です。
その中でもタイ医学やマッサージの知識が残り、マッサージの総本山として有名になりました。
(4)マッサージ像
ワットポーの敷地の一角に、変なポーズをとった像があります。これはヨガの行者たちの石像で、文字が読めない人でもすぐにヨガをできるようにと作られた像なのです。
(5)ワットポーの石像に隠された意味
ワットポーには様々な形をしたたくさんの石像があります。
何も知らないでこの石像を見ると、「ヨガのポーズなんでしょ?変な形の石像だな〜。」と素通りしてしまうかもしれませんが、そもそも意味のないものがこんな大事な場所にあるものでしょうか?
実はこの石像は、タイの歴史が詰まった貴重な石像なのです。
(6)石像のポーズはルーシーダットンのポーズ
この石像たちはルーシーダットンのポーズをしているのです。
ルーシーダットンとは、タイの伝統医学の一種で、約2500年前から伝わる自己整体法。インド式のヨガと比較されることの多いルーシーダットンですが、そもそも目的も効果も全く異なります。
そして、このワットポーでは本場のルーシーダットンを体験することができます。
参考記事:ワットポーのルーシーダットンとは
ワットポーのお土産や売店!
ワットポーにはその他にもマッサージや売店などのお店があります。ワットポー内にある売店にはATMや飲み物、ハガキ、アジアン雑貨や仏像など様々なお土産が置いてあります。
ワットポーへ行った際にはぜひ立ち寄ってみてください。
この記事のまとめ
ワットポーの見どころ
- 世界最大級の寝釈迦仏
- 108の煩悩を捨てる鉢
- ラマ1世が眠る本尊の仏像
- ラマが眠るお墓の仏塔
- 当時の最高峰の知識を集めた壁画の絵
- 変わった姿のマッサージ像
- タイの雑貨が買える売店
ワットポーに関する記事
【Q1】ワットポーに行きたいけど、行き方がわからない!どうやっていけばいいの?
【Q2】タイの寺院は服装が厳しいっていうけど、ワットポーはどうなの?
【Q3】ワットポーでやっているルーシーダットンにぜひ参加してみたい!
3大寺院を回ろう!おすすめの現地ツアー『TOP5』
タイの3大寺院と呼ばれている『ワットポー』『ワットプラケオ』『ワットアルン』を観光する際に、自分でいろいろと調べてから行くのも良いのですが、ここでは『現地ツアー』で行くことをオススメします。
現地ツアーは行きも帰りはホテルからホテルまでの送迎があったり、なによりプランニングがしっかりとしているので、3大寺院を効率良く観光することができ、ガイドさん付き!旅行者はぜひ使用してほしい方法です!
ここでは、『バンコクの3大寺院に関するおすすめ現地ツアー』をいくつか厳選して紹介します。ここで紹介するツアーは信頼のある会社が運営しているツアーなので安心して利用することができます。
バンコク市内観光半日ツアー 定番3大寺院+人気のワットパクナム寺院<午前/送迎/日本語ガイド/ワットアルンを望む川沿いレストランでのタイランチ付プラン有>
予約サイト | ベルトラ |
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料金 (プラン) |
2100バーツ(7,567円)〜 ランチなしプラン |
所用時間 | 6〜8.5時間 |
送迎 | 送迎あり |
含まれるもの | ・入場料 ・日本語ガイド |
アユタヤ遺跡+バンコク3大寺院+人気のワット・パクナム寺院 1日観光ツアー<ホテル送迎/ホテル内ビュッフェランチ>
予約サイト | ベルトラ |
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料金 (プラン) |
3400バーツ(12,294円)〜 基本プラン |
所用時間 | 12〜13.5時間 |
送迎 | 指定ホテルお迎え/お送り |
含まれるもの | ・昼食ビュッフェ ・入場料 ・日本語ガイド ・アクティビティ中の交通費 |
バンコク市内半日観光ツアー 便利な早朝空港発プランあり<午前・午後/日本語ガイド/イサーン料理夕食付きプランあり>*午後プランは当日朝9時まで予約可能!
予約サイト | ベルトラ |
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料金 (プラン) |
1700バーツ(6,089円)〜 バンコク市内観光 午前コース |
所用時間 | 4〜5.5時間 |
送迎 | 送迎あり |
含まれるもの | ・乗船費 ・拝観料 ・日本語ガイド |
【バンコク三大寺院 半日ツアー】タイ最高位の寺院ワットプラケオ、涅槃像のワットポー、ワットアルン <<日本語ガイド、ホテル送迎>>
予約サイト | タビナカ |
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料金 (プラン) |
8000円〜 通常プラン |
所用時間 | 4時間 |
送迎 | ピックアップ付き |
含まれるもの | ・専用車 ・各寺院への入場料 ・日本語ガイド ・渡船代 |
バンコク市内半日観光三大寺院めぐり+アプサラ号ディナークルーズ<午後/送迎/日本語ガイド/タイ料理コース>
予約サイト | ベルトラ |
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料金 (プラン) |
4700バーツ(16,992円)〜 基本プラン |
所用時間 | 5〜6時間 |
送迎 | 送迎あり |
含まれるもの | ・ミネラルウォーター ・入場料 ・日本語ガイド ・おしぼり ・乗船費 ・夕食 |