タイ料理に必須のアイテム「クロックヒン」とは!クロックとは、「叩く」「砕く」「すり潰す」などを得意とするタイの調理器具で、クロックヒンはクロックの中の1つで「石製」でできており、他にも「素焼き」や「木製」のクロックもあります。
クロックヒン(ครกหิน)とは
クロックヒンとは、タイ料理の必須アイテムで日本語では「石臼」といい、使用する際にはセットになっている「サーク」と呼ばれる棒を一緒に使います。
クロックヒンは、
- 叩く
- 砕く
- すり潰す
などができるタイの調理器具です。
タイでは石製のクロック(クロックヒン)以外にも、木製や素焼製のクロックがあり、作る料理や食材によって使い分けます。
タイの一般家庭では必ずと言って良いほどクロックがあり、用途によっては2つ、3つ持っていることがあるほどタイ料理には頻繁に使う調理器具です。
クロックの代表的な3つのタイプ
タイで使われているクロックは、大きく分けると3つのタイプがあり用途に合わせて使い分けたりします。
- クロックヒン
- クロックディンパオ
- クロックマイ
の3つのタイプです。
クロックヒンは数あるクロックの中の1つということです。
クロックヒン
クロックヒンは「ヒン=石」という意味があり、石の塊から1つずつ職人さんが掘り出して作ったのがクロックヒンです。
クロックヒンは石製なので硬く、パクチーやニンニク、唐辛子まで細かくペースト状にできるといった特徴があります。
クロックディンパオ
クロックディンパオは「ディン=土」「パオ=焼く」という意味があり、タイの東北部イサーン地方が主な原産地です。
素焼きのクロックディンパオは、石製のクロックヒンほど丈夫ではありませんが、硬いものも問題なく潰すことができます。
イサーン地方が主な原産地ということもあり、イサーン料理(ソムタムなど)には欠かすことのできない調理器具です。
クロックマイ
クロックマイは「マイ=木」という意味があり、木でできたクロックになります。
木でできているため軽く、見た目も美しいのが特徴ですが、石製のものと比べると乾きにくかったり、カビが生えたりというデメリットがあるため、クロックマイはあまり使用されなくなってきています。
クロックの使い道
クロックには、
- クロックヒン
- クロックディンパオ
- クロックマイ
の3つのタイプがあると解説していきましたが、木製のクロックマイは現在ではあまり使われなくなっているため、クロックヒンとクロックディンパオの用途別の使い道について解説していきます。
最も使われているのが「クロックディンパオ」
タイで最も多く使われているのが「クロックディンパオ」という素焼きのもので、多くのソムタム専門店がこのタイプを使用しています。
ソムタムなどのタイ料理は、叩くのが強すぎると食感が失われてしまうため石製のクロックヒンは不向き、クロックディンパオを使って混ぜながら叩くようにして使います。
硬いものをペースト状にするなら「クロックヒン」
石製でできているクロックヒンはサーク(棒)も石でできているため重く、食材を簡単に潰したり細かくしたりすることができます。
ニンニクや生姜、唐辛子など硬いものを潰しペースト状にするのに適しているため、
- カレーペースト
- ディップ(ナムプリック)
- ニンニク、生姜を細かく潰す
- 唐辛子を細かく潰す
- ナッツなどを砕く
などを作るのにクロックヒンが使用され、基本的に「叩いて潰す」という作業がとても簡単にできてしまいます。
タイでは基本的に2種類のクロックを使い分ける
クロックディンパオは素焼き製なので、硬いものを潰して作るペーストの用途としては脆く、石製のクロックヒンは重すぎてソムタムなどの料理を作るのにはあまり適していません。
そのためタイの家庭では「クロックヒン」と「クロックディンパオ」の2種類を使い分けていることが多いのです。
タイではなんでいまだにクロックを使うのか?
さまざまな電子調理器具がある中で、なぜ今もクロックを使うのか?
それは、調理の際に電子調理器具を使ってしまうと香りや食感に影響が出てしまうため、さまざまな電子調理器具が普及した現在でもクロックは愛用されているのです。
クロックを使用した方が味や食感が良くなり、洗ったりなどの手入れもとても簡単ということです。
クロックのメリット・デメリットとは
クロックが欲しい、クロックを購入しようと考えている方に「クロック」を持つことのメリットやデメリットを紹介していきます。
クロックのメリットとは
クロックにはさまざまなメリットがあります。
- 手入れがとても簡単
- 石製(素焼き)なので衛生面でも安心
- 誰でも簡単に使える
などメリットがたくさんあります。
クロックは手入れがとても簡単で、使った後はきれいに洗い乾かすだけでOKです。
石製や素焼き製なのですぐに乾き、乾いたら棚にしまっておくだけ、カビや表面の傷、変色などの心配も要らず手入れがとても簡単なのもクロックの特徴です。
しかも調理方法は叩くだけなので、とくに技術やテクニックなどは必要なく、誰でも簡単に使うことができます。
クロックのデメリットとは
石製のクロック(クロックヒン)のデメリットをあげるとすれば少し重たいことくらいです。
重すぎると持ち運びや出し入れが面倒になり、結局棚の中にしまったままということもありますが、これは正しい「サイズ選び」をすれば問題ありません。
クロックヒンにはいくつかサイズがあるので、自分が持ち運べ、使いやすいサイズを選ぶようにしましょう。
クロックヒン(石製)のサイズの選び方
クロックヒンのサイズはいくつかありますが、おすすめは定番サイズの「5インチ」もしくは「6インチ」がおすすめです。
サイズ以外にも考えて欲しいポイントは、
- 石棒(サック)の重さ
- クロックの深さ
などをチェックしましょう。
石棒が重ければ食材を潰すのもとても簡単で、食材に当たる面積が大きければ潰すのもとても簡単です。
クロックヒンの深さに関しても深くて大きいものが良く、硬い食材や水分の多いものを潰す時に叩くと中のものが外に飛び散りやすいので、ある程度深くて大きいものの方がさまざまな用途に使えます。
4インチ以下はサブの役目として購入
4インチ以下のクロックヒンは、メインで使用するというよりもサブで使用するといった役割です。
- ニンニクを潰す
- 唐辛子を潰す
- ゴマをする
- 少量の調味料作り
- 潰して足したいものがある
など、メインで使用するには物足りないサイズなのでサブの役割として使うことがほとんどです。
基本的には、メインの定番サイズのものが1つあればOKです。
※ネットで購入できるクロック(石臼)
重量 :1.7kg(すり鉢)0.3kg(すりこぎ棒)
サイズ:内径10cm(すり鉢)、13.5cm(外径)、9.5cm(高さ)、
容量 :350ml
すりこぎ棒:全長15cm
香辛料のすりつぶしや、唐辛子、コーヒー豆、マッシュポテト、離乳食の作る際に使用できるクロック(石臼)です。